決済システムをクラウドサービスに移行すると発表した英国の住宅金融組合Nationwide Building Society。この取り組みの背景にあるのは、決済市場における“ある動向”だ。
英国の住宅金融組合Nationwide Building Societyは、ITコンサルティング会社Accenture の支援を受けて、決済システムをオンプレミスインフラからクラウドサービスに移行させる。クラウドサービスへの移行を通じて同組織が実現したいこととは。
Accenture が2023年3月に発表した内容によれば、Nationwide Building Societyの決済システムは、クラウド決済サービスベンダーForm3 Groupのクラウドサービスを利用する。
システム移行が完了すると、Nationwide Building Societyの決済システムは、金融機関が外国送金をする際に利用するフォーマットの国際規格「ISO 20022」に準拠する。
Nationwide Building Societyは年間約4億5000万件の小売取引を扱う。Nationwide Building Societyで決済担当ディレクターを務めるオットー・ベンツ氏 によると、キャッシュレス決済の件数は増加しているという。
「顧客の期待に応えながら、増加する決済件数に対処するための方策が必要だった」とベンツ氏は語る。同氏によると、クラウドサービスへの移行は、Form3とAccentureの協力を受けて、同組織の決済処理をシンプルに、かつ強力なものにするための一歩を踏み出すためのものだという。
後編は、クラウドサービスへのシステム移行で支援を実施したAccentureが、金融機関のDXという分野でどのような取り組みを実施しているのかを整理する。
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