豪銀行が「CX推進に必要不可欠」とみる“あの技術”とは銀行が取り組む「CX」【中編】

オーストラリアの銀行CommBankは「CX」(顧客体験価値)強化に取り組む。どのような要件が求められ、どの技術を用いて解決しようとしているのか。

2023年03月22日 05時00分 公開
[Aaron TanTechTarget]

 従来、銀行は独自の販売チャネルで金融商品を提供してきた。金融機関と他分野の企業が提携する動きが広がったことにより、銀行が扱わなければならない新たな技術的な要件が誕生している。「CX」(顧客体験価値)分野への投資を強化するオーストラリアの銀行Commonwealth Bank(CommBank)の事例を紹介する。

銀行が「CX」推進で目を向けた技術とは

 CommBankで最高デジタル責任者(CDO)を務めるフレデリク・リンドストローム氏は、通信事業者やエネルギー会社といった提携企業のシステムと安全かつ簡単に連携するために、以下のような技術の活用を広げていると話す。

  • クラウドコンピューティング
  • アプリケーションプログラミングインタフェース(API)
  • マイクロサービス(独立して動作する小規模サービスで構成するシステム設計)

 一方でリンドストローム氏は、こうした技術を利用することは容易ではないと警鐘を鳴らす。「これらの技術はいずれも簡単に利用できるものだ。しかし、APIやマイクロサービスを手当たり次第に呼び出してクラウドサービスにリフト(移し替え)すれば、元の状態よりも悪化する恐れも大いにある」(同氏)

 リンドストローム氏はこうした試みについて、「一つ一つが大きなトランスフォーメーションであり、一晩で成し得るものではない」と付け加え、CommBankの取り組みについて紹介する。以下はその一例だ。

  • 再利用可能なAPIを備えた設計に移行する
  • マイクロサービスの統一性と一貫性を強化する

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...