コミュニケーションツールはなぜ“使いにくい”のか 技術だけじゃない理由コミュニケーションツールの「アクセシビリティー」を向上させるには【第3回】

コミュニケーションツールの「アクセシビリティー」を向上させるためには、適切なツールや技術を選ぶだけではなく、人による“ある工夫”も大切だという。それは何なのか。

2023年06月23日 06時15分 公開
[Katherine FinnellTechTarget]

 コミュニケーションツールの「アクセシビリティー」(利用しやすさ)向上は、オフィスワークとテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」を推進する上で重要になる。実際にアクセシビリティーの向上に取り組む際、企業が「軽視してはいけない」のは何なのか。

「コミュニケーションツールの使いにくさ」の“技術だけじゃない原因”はこれだ

会員登録(無料)が必要です

 「会議のマナーや資料の共有方法といった技術面以外のことが、コミュニケーションツールのアクセシビリティー向上を進める上で障壁になる可能性がある」。アクセシビリティーアナリストのクラウディオ・ルイス・ベラ氏はそう語る。ベラ氏によれば、アクセシビリティーを向上させるには、最適なコミュニケーションツールの導入と、それらの利用に当たってのルール作りが欠かせない。

 企業は障害のある従業員を無意識に差別することがないよう、アクセシビリティーを重視したポリシーを策定することが重要だ。例えば聴力に障害のある従業員に対しては、Web会議ツールを使う際に字幕機能を設定する必要がある。企業はアクセシビリティーポリシーの一環として、あらかじめ字幕機能の設定をルール化すれば、個々の会議で字幕機能を設定する手間を省ける。

 セキュリティの観点から、Web会議ツールの字幕や文字起こし機能を無効にする企業がある。そうした企業は例えば、文字起こしした会議記録に一定期間だけアクセスできるようにし、期限が過ぎたら会議記録を自動削除するといった対策を講じれば、セキュリティとアクセシビリティーの両立を図ることができる。「ちょっとした工夫でセキュリティ担当も、視覚障害の従業員も喜ぶはずだ」と、VMwareでアクセシビリティー担当を務めるシェリ・バーン=ヘイバー氏は語る。


 第4回はコミュニケーションツールのアクセシビリティー向上が、さまざまな従業員にメリットをもたらす理由を説明する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 株式会社スタディスト

「そのマニュアル、本当に見られている?」 活用されるマニュアルのポイント

業務マニュアルは使われて初めてその効果を発揮するが、そもそも見られていないことから、業務課題を一向に解決できないという企業は多い。“活用されるマニュアル”を作成・共有するには、どんなポイントを押さえるべきか。

製品資料 株式会社スタディスト

現場で使われないマニュアルと決別、活用されるために必要なコツとは

マニュアル作成において、90%以上の組織がビジネスソフトを利用しているが、それでは活用されるマニュアルへのハードルは高い。きちんと現場に使われるマニュアルにするために、ノウハウを把握しておきたい。

製品資料 株式会社スタディスト

不適合品発生の原因は「人」と「方法」、改善を促すマニュアル作成・運用術

製造業では、不適合品を極力減らすカイゼンの取り組みが重要だ。ある調査によると、不適合品発生の原因の多くは「人」と「方法」に関連しているという。企業の対応策で一般的なのはマニュアルの運用だが、ここには落とし穴がある。

製品資料 株式会社スタディスト

DXの推進を阻む「移行コスト」を解消し、新規ツールを浸透させるには?

あらゆる業界でDXの取り組みが加速する一方で、成功を実感している企業は1割にも満たないという。最大の障壁となる「移行コスト」を解消し、新規ツールを「誰にでも使える」状態にするための方法を探る。

製品資料 双日テックイノベーション株式会社

従来の電話の在り方を見直し、働き方の多様化に柔軟に対応する方法とは?

さまざまなWebシステムが使われるようになった今も、電話はやはりビジネスに不可欠なツールである。とはいえ働き方改革やDXを受け、企業における電話の在り方も大きく変わってきた。そこにフィットするソリューションがクラウドPBXだ。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。