コミュニケーションツールの「アクセシビリティー」を向上させるためには、適切なツールや技術を選ぶだけではなく、人による“ある工夫”も大切だという。それは何なのか。
コミュニケーションツールの「アクセシビリティー」(利用しやすさ)向上は、オフィスワークとテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」を推進する上で重要になる。実際にアクセシビリティーの向上に取り組む際、企業が「軽視してはいけない」のは何なのか。
「会議のマナーや資料の共有方法といった技術面以外のことが、コミュニケーションツールのアクセシビリティー向上を進める上で障壁になる可能性がある」。アクセシビリティーアナリストのクラウディオ・ルイス・ベラ氏はそう語る。ベラ氏によれば、アクセシビリティーを向上させるには、最適なコミュニケーションツールの導入と、それらの利用に当たってのルール作りが欠かせない。
企業は障害のある従業員を無意識に差別することがないよう、アクセシビリティーを重視したポリシーを策定することが重要だ。例えば聴力に障害のある従業員に対しては、Web会議ツールを使う際に字幕機能を設定する必要がある。企業はアクセシビリティーポリシーの一環として、あらかじめ字幕機能の設定をルール化すれば、個々の会議で字幕機能を設定する手間を省ける。
セキュリティの観点から、Web会議ツールの字幕や文字起こし機能を無効にする企業がある。そうした企業は例えば、文字起こしした会議記録に一定期間だけアクセスできるようにし、期限が過ぎたら会議記録を自動削除するといった対策を講じれば、セキュリティとアクセシビリティーの両立を図ることができる。「ちょっとした工夫でセキュリティ担当も、視覚障害の従業員も喜ぶはずだ」と、VMwareでアクセシビリティー担当を務めるシェリ・バーン=ヘイバー氏は語る。
第4回はコミュニケーションツールのアクセシビリティー向上が、さまざまな従業員にメリットをもたらす理由を説明する。
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