プログラマーの雇用市場は活況を呈している。雇用市場の概況から特に需要のある分野を見つつ、プログラミングの基礎知識をおさらいする。
著名ITベンダーが次々にレイオフ(一時解雇)に踏み切った。そうした中で技術者、とりわけプログラマーの雇用が安定しているのが際立つ。まずIT雇用市場の見通しを踏まえた上で、不況でも稼げる職種プログラマーが知っている“プログラミングの基本”を押さえておこう。
米雇用市場調査会社Janco Associatesが2023年1月に公開した調査レポートによると、技術職の市場は2023年、17万4000件の雇用が新たに増える見込みだ。2022年12月の失業率は1.8%で、全職種の失業率3.5%の半分ほどだった。
調査によると、IT雇用市場には合計で20万件を超える求人がある。特に需要があるのは以下の分野だった。
プログラマーの需要は安定していると言える。時代遅れになったプログラミングスキルはほとんど存在しない。1950年代に開発されたプログラミング言語「COBOL」の雇用市場も残っている。ただし需要のより高い分野を目指すプログラマーは、取り組む分野を見極める必要がある。
プログラミングの目的は、コンピュータ内でタスクを実行するアプリケーションの作成だ。アプリケーションの作成とは、コンピュータが受け取る一連の命令をプログラミング言語で記載することを指す。記述するプログラム、すなわちソースコードをファイルに格納し、コンパイル(実行可能ファイルに変換)してアプリケーションは完成する。プログラミング言語には、「Java」や「Python」などさまざまな種類がある。
ソースコードは、コンピュータが解釈できる言葉に変換されて実行される。コンピュータが直接解釈できる「機械語」に一対一対応したプログラミング言語は「アセンブリ言語」という。人がアセンブリ言語でソースコードを書くことは簡単ではない。
プログラミングは、システム開発のプロセスの一つに過ぎない。アプリケーションを作成するに当たっては、事前の設計や計画、構想が欠かせず、アプリケーションの設計および主要機能の定義が完了しないとプログラミングに取り掛かることはできない。ソースコードを記述した後には、テストとデバッグ(エラー修正)が待っている。こうしたプロセスを経て初めて、アプリケーションのデプロイ(実装)が可能になる。
第2回は、プログラミングの登場から2020年代の現在に至るまでに、プログラミングに起きた変化について解説する。
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