SSDにデータ処理機能を組み込んだコンピュテーショナルストレージには幾つかの種類があり、さまざまな製品が登場してきている状況だ。注目製品と、コンピュテーショナルストレージの種類を紹介しよう。
コンピュテーショナルストレージは通常のSSDと異なり、演算機能をストレージに組み合わせている。市場に出ている製品は、よく使う機能に特化したものや独自のプログラムが可能なものなど、幾つかのタイプに分かれる。
独自のプログラムが可能な製品は、演算ができるというコンピュテーショナルストレージのイメージにより近い。特定の機能に特化したコンピュテーショナルストレージは、市場での存在感を高めている。
機能固定型のコンピュテーショナルストレージとしてさまざまな製品が登場している。扱うデータ容量が大きくなりがちな用途向けの機能に特化しているのが特徴だ。
IBMの「FlashCore Modules」(FCM)は、同社のストレージアレイ「FlashSystem 7300」や「FlashSystem 9200」に使われているフラッシュストレージシリーズだ。第3世代FCMは、通常はソフトウェアが担うデータの圧縮・解凍をストレージ内部で実施する。
FCMはランサムウェア(身代金要求型マルウェア)対策に役立つ。FCMを使うことで、ストレージ内の古いデータと新しいデータを比較し、暗号化が実施されたかどうかを判断できるようになる。
Flexxonは、データの利用パターンを監視することでマルウェアを検出する機能を組み込んだSSDを開発した。ランサムウェア対策の一つとして使うことができる。同社によれば、このSSDはシグネチャ(既知の攻撃を識別するデータ)を使わず、データの読み取りと書き込みのパターンを分析することで、ほとんどのマルウェアを検出できる。
半導体ベンダーAdvanced Micro Devices(AMD)が買収した同業Xilinxと共同で、Samsung Electronicsは「SmartSSD」というコンピュテーショナルストレージを開発した。ITサービス事業者Atosは、同社が提供するクラウドサービスのインフラにSmartSSDを採用している。SmartSSDを使うことで、標準的なSSDを使うのと比べて分散処理フレームワーク「Apache Spark」のクエリを高速化できているという。
Samsung ElectronicsはSmartSSDを同社のストレージ製品群に加えると同時に、一意の識別子である「キー」と「バリュー」(値)を組み合わせてデータを管理する「キーバリュー方式」のストレージ管理手法を提供している。キーバリュー方式でデータを管理する際、SSD内部の演算機能を活用する。
NETINT Technologiesは、動画データの圧縮機能を組み込んだSSD「Codensity D400」を提供している。
サーバで実行するアプリケーションのように、プログラム可能な機能を提供するコンピュテーショナルストレージもある。ストレージの業界団体Storage Networking Industry Association(SNIA)は、プロプラム可能型のコンピュテーショナルストレージを3つのタイプに分類している。
第3回は、先駆的な技術を搭載するコンピュテーショナルストレージの注目製品を紹介する。
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