インターネット接続の方法として、従来の有線ケーブルによる接続ではなく、5Gなどの無線を利用した「固定無線アクセス」(FWA)が注目を集めている。FWAはどのような仕組みなのか。
通信事業者は従来、ユーザーへのインターネット接続を提供するために、自社の中継網とユーザー宅内の「CPE」(宅内設置機器)を同軸ケーブルや光ファイバーといった有線ケーブルで結んでいた。近年、有線部分を無線に置き換えた「固定無線アクセス」(FWA)が世界各国で広がっている。
特に、FWAの無線部分に「5G」(第5世代移動体通信システム)を採用した「5G FWA」には期待が集まっている。通信機器ベンダーのNokiaやSamsung Electronicsが5G FWAで約10キロの距離を2Gbps以上でデータ伝送するなど、光ファイバーにも劣らない通信速度を実現している。FWAの仕組みを解説する。
ユーザーがインターネットに接続するためには、通信事業者と契約し、通信事業者のインフラを経由する必要がある。固定無線アクセス(FWA)はユーザーと通信事業者のインフラを、無線で接続するものだ。無線なのに“固定”という単語が使われるのは、無線で通信するインフラである基地局と、ユーザー宅内に設置する「CPE」(宅内設置機器)の場所が固定されているからだ。
無線は天候や障害物の影響を受けやすく、有線よりもネットワークが不安定になりやすいと懸念する人もいるだろう。だが通信事業者はCPEを複数設置して冗長化する他、近年のFWA用の送受信装置には以下の技術が組み込んであるため、あまり心配は要らない。
近年、「ミリ波」を用いた5G FWAが広がっている。ミリ波は5Gが利用する電波のうち24GHz帯以上の電波を指し、「4G」(第4世代移動体通信システム)が使う6GHz帯以下の周波数の電波に比べて、遮蔽(しゃへい)物の後ろまで電波が回り込みにくい特性がある。しかし、上記の技術やアンテナ性能の改善により、ミリ波の5G FWAも商用利用できる水準になってきている。
第2回はFWAのコストや通信品質の特徴を解説する。
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