コンピュテーショナルストレージは、データ保管の役割を担うことは一般的なストレージと同じだ。違いはどこにあるのか。主要ベンダーと併せて紹介する。
コンピュテーショナルストレージは、一般的なストレージと同様にデータを保管する役割を持ち、その形状はSSDに似ているが、SSDとは機能面で違いがある。主要ベンダーと併せて、コンピュテーショナルストレージとはどのような記憶装置なのかを紹介しよう。
通常、SSDを利用する際は演算処理をCPU(中央処理装置)が担い、SSDからCPUにデータを転送する。コンピュテーショナルストレージはそれ自身が演算機能を持つことで、特定の機能を内部で実行する。特定用途の演算機能をあらかじめ実装している製品もあれば、プログラム可能な製品もある。
次に挙げる4社は、コンピュテーショナルストレージの市場をけん引してきたベンダーだ。
データセンター向けの製品を提供するScaleFluxは、「CSD 3000」と「CSD 2000」の2種類のコンピュテーショナルストレージを提供している。CSD 2000は、プログラム可能な集積回路「FPGA」(Field Programmable Gate Array)を搭載している。特定用途向けの集積回路「ASIC」(Application Specific Integrated Circuit)を使用する場合よりも製造コストがかかるが、市場投入までの時間は短縮する。CSD 3000は独自のASICを使用している。
NGD Systemsは、コンピュテーショナルストレージ市場を初期から支えたベンダーだ。同社のフラッシュストレージ「Newport」シリーズは、ASICとArm製のCPUコアを使用して、ストレージ内のデータを処理する。NGD Systemsは、ストレージの業界団体Storage Networking Industry Association(SNIA)が進めるコンピュテーショナルストレージの標準化作業を支援してきた。
Eidetic Communicationsは、プロセッサベンダーのAMD(Advanced Micro Devices)とKoch Industries傘下のBittWare(ハードウェア製造企業)と連携し、さまざまなコンピュテーショナルストレージ向けのプロセッサを製造している。同社のデバイスは、ストレージインタフェースNVMe(Non-Volatile Memory Express)接続のSSDに組み込まれ、演算機能を提供する。
NVXL Technologyは、ストレージベンダーBiTMICRO Networksから独立してコンピュテーショナルストレージを開発する企業だった。同社は製品を発表することなく倒産してしまったようだ。同社のWebサイトは閲覧できなくなっている。
第4回は、コンピュテーショナルストレージが普及する上で課題になる点を考察する。
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