テキサスの名門大学が「プライベート5G」を導入した納得の理由最先端の研究に必要なネットワークとは

大学や研究機関はネットワークにも厳しい要件を求める。そうした中、テキサスA&M大学がプライベート5Gをキャンパスや研究拠点に導入した。同大学が導入したプライベート5Gの構成や導入の背景を説明する。

2023年11月07日 05時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

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 一般的に、研究機関は通信ネットワークに厳しい要件を課す。さまざまな分野で研究活動をしているテキサスA&M大学(以下、TAMU)においても同様だ。

 TAMUは「5G」(第5世代移動通信システム)をユーザー組織が自営網として利用できる「プライベート5G」を導入した。同大学がどのようなプライベート5Gを導入したのか、理由と共に解説する。

テキサスA&M大学が構築した「プライベート5G」とは?

 TAMUは、テキサス州初の公立高等教育機関として1876年に開校し、現在は約7万人の学生が在籍している。TAMUのメインキャンパス以外の学生や、分校、研究機関を合わせればさらに関係者は増える。

 同大学は自動運転車やロボット工学、アドバンスドマニュファクチャリング(先進製造)などの研究に取り組んでおり、ネットワークの性能に妥協は許されないという。

 プライベート5Gにはデータのプライバシー保護とセキュリティ対策、帯域幅(通信路容量)の点で、TAMUの学生や研究者が使用するミッションクリティカルなシステムの通信にも満足がいくパフォーマンスが期待できる。

 プライベート5Gの構築に当たっては、Ribbon Communicationsのメトロネットワーク(基地局装置やコアネットワーク装置間のネットワーク)用ルーター「NPT 1800」と、アクセス用ルーター「NPT 2100」を採用した。Ribbonによれば、オープンアーキテクチャが特徴であり、他システムとの連携が迅速になるという。

 実際に同大学は、以下の拠点でプライベート5Gエリアを構築し、相互接続している。

  • メインキャンパス内の工学ラボとコンピュータサイエンスのラボ
  • テロや自然災害に対して公共安全を確保するための訓練エリア
  • 応用研究拠点の「ITEC」(Internet2 技術評価センター)内のラボ
  • 応用研究拠点の「RELLIS」
  • その他テストヘッド(試験環境)

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