量子コンピュータは実用化に向けた開発が進んでいる。具体的には、どのような用途に役立つのか。主な用途を6つ説明する。
量子コンピュータは、企業での実用に足りる規模で実行する方法を模索している段階だ。そのため現時点では、実験的な用途への利用に限られている。しかしさらに技術が進化するときに備えて、企業はその利用方法を検討する必要がある。
量子コンピュータの将来の用途として、期待できる例を幾つか紹介する。
問題の解を同時に計算できれば、機械学習を含むAI(人工知能)技術の可能性が広がる。今日の企業は、AI技術を使用してタスクを自動化し、最適化する方法を模索している。複雑なデータや非構造化データを分析する場合、量子コンピュータと組み合わせて使用すれば、迅速かつ大規模なデータの処理が可能になる。
金融機関は量子コンピュータを利用して、投資や証券の価格の推移を大規模に計算し、予測できるようになる。さまざまな銘柄を組み込み、長期間にわたる大規模なポートフォリオを作成できるため、金融機関は世界経済の動向をより良く理解できるようになる。
量子力学を応用してデータを暗号化したり、復号したりできる。量子鍵と呼ばれる鍵を使いデータを送受信する手法は、「量子鍵配送」(QKD)と呼ぶ。
ルート最適化は、サプライチェーンの物流と輸送をスムーズに実施するための手段だ。最も効率の良い配送ルートを計算するには、単純な道順だけでなくリアルタイムの天候の変化や交通量など、配送に影響を与えるあらゆるデータを全て活用することが必要だ。量子コンピュータを利用することで、リアルタイムに複数のデータを並列処理し、全車両のルートを一度に調整してそれぞれの車両を最適なルートに導く研究が進んでいる。
量子コンピュータを利用することで、汎用コンピュータより正確で現実的なシミュレーションを実行できるようになる可能性がある。そのため製造分野に量子コンピュータを導入することで、試作品のコストを削減することや、成果物の品質の向上が期待できる。
量子コンピュータは原子同士の相互作用の過程や結果を再現したり、予測したりすることに利用でき、研究者が分子構造を正確に理解することを助ける。これは医薬品や化学物質の研究や開発の方法に影響を与える可能性がある。
後編は量子コンピュータが実用化されるまでに、データセンター管理者がどのように準備をしておくべきかを説明する。
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