5Gの進化系である「5G-Advanced」はどのような機能が強化されるのか。6Gが登場する前に、どのようなモバイルネットワークの進化が見られるのか。
「5G」(第5世代移動通信)と「6G」(第6世代移動通信)の間の技術である「5G-Advanced」(一部ベンダーは「5.5G」と呼称)は、早ければ2024年中に商用化する可能性がある。標準化団体の「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)によれば、5G-Advancedは2024年6月に5Gの新たな仕様である「3GPP Release 18」として標準化が完了する計画だ。どのような機能が強化される見込みなのか。
5G-Advancedでは主に以下の点が強化される。
具体的な機能としては以下のものが実装される。
5G-Advancedは、スマートシティーのインフラに成り得る。自動走行車、スマートトラフィック(物体追跡技術を用いた交通システム)、スマートヘルス、防衛と安全保障、産業用メタバースなどの領域で活用される可能性がある。
調査会社ABI Researchは報告書「5G-Advanced and the road to 6G」(5G-Advancedと6Gへの道のり)において、5G基地局全体の75%が2030年までに5G-Advancedにアップグレードされるものの、企業市場ではその比率は約半分になると予測している。無線基地局当たりの5G-Advanced接続デバイスは、商用化の初期段階である2024年から2026年頃に急速に普及すると同社は予測する。
5G-Advancedのエコシステム(複数の企業による共存共栄の仕組み)は拡大している。5G-Advancedを開発する通信機器ベンダーには、Nokia、Ericsson、Huawei Technologies、Samsung Electronicsなどがある。チップセットではQualcomm TechnologiesとMediaTekが挙げられる。
デバイスではAppleの「iPhone 15」、Samsung Electronicsの「Galaxy S24」、vivo Mobile Communicationの「X100 Pro」、OPPOの「Find X」が先陣を切っている。
5G-Advancedを、24GHz帯以上の周波数である「ミリ波」で扱う通信事業者は世界各国に存在している。フィンランドのDNA、スペインのVodafone Espana、香港のHong Kong Telecommunications、タイのAdvanced Info Serviceなどの幾つかの事業者は、既に10Gbpsの通信速度が可能なミリ波ネットワークをテストしている。
業界団体の5G Americasが2023年に発表したホワイトペーパー「The Evolution of 5G Spectrum」は、7.125GHzから15.35GHzの周波数帯が、既存のインフラを活用して通信容量を増やすための鍵になると強調している。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...
業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...
SEOを強化するサイトの9割超が表示速度を重視 で、対策にいくら投資している?
Reproが「Webサイトの表示速度改善についての実態調査 2024」レポートを公開。表示速度改...