世界各国で、クラウドサービスのコストが当初の予算を超える企業が相次いでいる。なぜコストが膨らんでしまうのか。
調査会社のForrester Consulting(以下、Forrester)とデータ管理ベンダーBoomiは調査報告書「Cloud costs are out of control:integration And modernization can help rein them in」を公開した。
今回の調査は2023年12月、Boomiの委託でForresterが世界各国の企業におけるIT部門の意思決定者420人を対象に、クラウドサービスへの支出を調査したものだ。調査の結果、大半の企業でクラウドサービスのコストが予算を超過することが分かった。
パブリッククラウドへの支出は世界各国で2026年には1兆ドルを超えるとForresterは予測している。コストが増加する理由に、企業がクラウドサービスの運用方法に課題を抱えていることも調査で分かった。どのような課題があるのか。
Forresterは調査の結果、「2026年までのクラウドサービスのワークロード(アプリケーション)やそのコストは、急増し続ける傾向にある」と結論付けた。
同社の調査では、IT意思決定者の72%が、「直近の会計年度に自社で設定したクラウドサービスの予算を超過した」と答えた。支出が増加している理由は「IT運用におけるアプリケーションとワークロード」が最多で54%、オフィスワークとテレワークを組み合わせる「ハイブリッドワーク」が50%、ソフトウェア開発のプラットフォームとツールが45%、デジタルエクスペリエンス(体験価値)が44%だった。
必要以上のストレージ容量の確保やネットワーク帯域幅の過剰利用がコスト増につながる傾向にあった。調査対象のIT意思決定者の半数以上(52%)が、必要以上の量のストレージを確保していることを、クラウドサービスのコスト増の原因として挙げている。ネットワーク帯域幅の過剰利用を原因として挙げた回答者は42%だった。
Forresterは「データやインフラの統合戦略の欠如や、非効率なクラウドアーキテクチャがコストを押し上げている」と指摘した。
調査対象のIT意思決定者の41%が自社のクラウドインフラでコストガバナンスを確立できていないと認めていることも、今回の調査で明らかになった。
次回はコスト適正化に取り組む企業が陥る落とし穴について解説する。
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