過去最高の四半期売上高を達成したNVIDIA。データセンター分野での業績が好調だ。特に何が同社の成長を支えているのか。
GPU(グラフィックス処理装置)ベンダーのNVIDIAは2024年4月30日に終了した2025年度第1四半期において、四半期売上高が過去最高の260億ドルを達成したと発表した。データセンター関連事業の四半期売上高は226億ドルで、これも過去最高となった。
NVIDIAがデータセンター関連事業で過去最高の売上高を達成できた要因は何だったのか。何が同社の成長を支えているのか。
NVIDIAの2025年度第1四半期における好調な業績は、同社のGPUシリーズ「NVIDIA Hopper」(以下、Hopper)の出荷が増加したことによるものだ。Hopperは主に大規模言語モデル(LLM)を含めて、テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」の学習や推論に使われている。
金融情報メディア「Seeking Alpha」に掲載された情報によると、NVIDIAでCFO(最高財務責任者)を務めるコレット・クレス氏は「AI分野において推論と学習の両方の需要が著しく成長している」と市場の様子を分析している。
Meta Platformsや電気自動車(EV)メーカーTeslaといった巨大企業が、AIインフラを構築するために膨大な数のGPUを必要としている。NVIDIAによれば同社の顧客には10万ものGPUを利用したAIインフラを構築している企業もあるという。
決算発表の会見でNVIDIAのCEOジェンスン・フアン氏は、「今後、GPUの利用率をどう高めるか」と質問された。ファン氏は「コンピュータはもはや命令で動くだけのものではなくなり、文脈に即したインテリジェントな答えを生成するようになった」と述べた。
フアン氏は、NVIDIAが2024年後半に提供を開始するGPUシリーズ「NVIDIA Blackwell」(以下、Blackwell)が、今後の成長の柱になると説明した。BlackwellはHopperシリーズのGPU「NVIDIA H100 Tensor Core GPU」(H100)や、「NVIDIA H200 Tensor Core GPU」(H200)のアーキテクチャに比べて、LLMに必要なデータの処理を高速かつ低消費電力で実行することが可能だという。
Blackwell以外の事業拡大の柱として、フアン氏はネットワーク分野を挙げた。具体的には同社のネットワークスイッチ「NVIDIA Spectrum-X」(以下、Spectrum-X)シリーズが、データセンター市場を切り開く可能性を秘めているという。
NVIDIAはネットワーク分野では、Spectrum-X以外にも、
といった技術を使った製品を引き続き重視していることを強調した。
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