「SATA接続HDD」が消えずに使われ続ける理由とは大容量HDDが出荷開始【後編】

SATAをインタフェースに採用するHDDは、ストレージのさまざまな技術進化が起きる中でも依然として健在だ。SATAは使われ続ける背景には、どのような事情があるのか。

2024年12月23日 08時15分 公開
[Adam ArmstrongTechTarget]

 HDDのインタフェースの一つに「SATA」(Serial ATA)がある。昨今さまざまなストレージの技術進化が起きる中でも、SATA接続のHDDは依然として健在だ。直近でも新モデルが登場している。SATAの需要が根強い背景にはどのような事情があるのか。

「SATA接続HDD」にはなぜ根強いニーズがあるのか

 Western Digitalは2024年10月、複数のHDD新モデルについて出荷を開始したことを明らかにした。その一つに容量26TBの「WD Gold」がある。このHDDは、インタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用している。

 SATAは「SAS」(Serial-Attached SCSI)や、「PCIe」(Peripheral Component Interconnect Express)や「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)よりもデータ転送速度が遅い。ただしSATAの重要性は以前として失われていない。

 調査会社TRENDFOCUSのアナリストであるジョン・チェン氏によると、さまざまなクラウドベンダーがSATA接続のHDDを採用している。クラウドベンダーがSATA接続のHDDを採用するのは、コスト抑制を優先し、余分な機能は必要としていない場合だ。

 SAS接続のHDDに関しては、調査会社IDCのアナリストであるエド・バーンズ氏によると、高速なデータ転送が求められるオンプレミスのストレージでよく使われる傾向にある。バーンズ氏は一方のSATAについては「大半のハイパースケーラーがSATA接続のHDDを採用するのは、コストを下げるニーズがそれだけあるからだ」と語る。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news054.jpg

AI搭載は「もう売りにならない」──「Marketing Dive」2025年予測【前編】
広告費が世界で1兆ドルを超える中、マーケターは多くの課題に直面している。不透明な規制...

news045.jpg

Xがアルゴリズム変更へ イーロン・マスク氏が優遇したい投稿とは?
Xは新たなアルゴリズムアップデートで「情報的かつ娯楽的」なコンテンツに重点を置いてい...

news097.png

新成人が考える「人生100年時代」の大人像とは?
人生100年時代を迎え、若者たちの価値観や人生設計が大きく変化している。博報堂のシンク...