トランプ氏が率いる新政権は、連邦政府職員を大幅に削減する方針だ。オフィスへの出勤を義務付け、テレワークをしている職員に退職を促す可能性もある。こうした方針は、どのようなリスクがあるのか。
米国のドナルド・トランプ次期大統領が率いる新政権は、連邦政府職員を大幅に削減する方針だ。トランプ氏の顧問に就任する実業家のイーロン・マスク氏は、テレワークをしている連邦政府職員に対し、オフィスへの出勤を義務付け、自発的な退職を促すことを示唆した。一方、専門家はこうした方針は“あるリスク”を抱えると懸念する。どのようなリスクなのか。
「新政権は連邦政府職員の大部分を不要だと考えている」と、法律事務所Kalijarvi, Chuzi, Newman & Fitchの弁護士、ジョージ・チュジ氏は指摘する。新政権は、連邦政府職員を「政権の目標と相反し、財政を圧迫する存在」と見なしているという。「新政府の方針に対し、連邦政府職員は『解雇される前に退職するしかない』と考えるようになる」と推測する。
新政権は必要な職員を失うことになりかねないと懸念するのは、コンサルティング会社Work ForwardのCEOブライアン・エリオット氏だ。エリオット氏は優秀な連邦政府職員の流出を危惧し、「新政権が行政サービスのモダナイゼーションを任せられる職員がいなくなる」と指摘する。
マスク氏とバイオテクノロジー分野の実業家ビベック・ラマスワミ氏は、連邦政府の人員削減計画を示した。両氏は、政府の支出見直しや削減を実施する組織「DOGE」(Department of Government Efficiency:政府効率化省)を通じ、人員を減らすことを提案している。経済誌「Wall Street Journal」によると、両氏は「連邦政府職員に週5日の出勤を義務付ければ、自主退職を促すことができる。これは歓迎すべきことだ」と主張した。
ピッツバーグ大学などの組織から成る研究チームは2024年11月、企業がオフィスへの出社を義務化すると、熟練労働者の離職率が上昇するという研究結果を発表した。この研究はビジネス向けSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「LinkedIn」のデータを使用し、300万人以上のIT・金融業界の雇用動向を追跡したものだ。
ピッツバーグ大学の経営学准教授マーク・マー氏は、民間企業における出社義務化は、給与が増えるにもかかわらず、離職率が高まる要因になると指摘する。新政権の方針は、特に米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration)の科学者や司法省の検察官など、特殊なスキルを有する連邦政府職員に影響を及ぼしかねない。
マー氏は、こうした影響は国防にも及ぶと付け加える。現代の戦争はサイバー空間も対象になっており、AI(人工知能)技術やサイバーセキュリティに関するスキルを有する職員の必要性を指摘。「大手IT企業が、こうした人材をより高給で引き抜く可能性がある」と主張する。
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
ハッシュタグはオワコン? イーロン・マスク氏も「使うな」と投稿、その意図は……
ハッシュ記号(#)とキーワードを連結させることで投稿のトピックを明示する「ハッシュタ...
mixi2で「企業アカウント」を始める前に知っておきたい3つのポイント
2024年末に電撃デビューした国産SNS「mixi2」。企業の新たなコミュニケーションチャネル...
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2024年12月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。