スタートアップ市場では若手優位のイメージが強い。だがAI技術の活用が広がる中で、むしろ50歳以上の創業者の方が注目され始めているという。シニア起業家の強みとなる“ある能力”とは何か。
スタートアップでは若手の起業家が活躍しているイメージが根強く残っているが、AI(人工知能)技術の活用が広がる中ではむしろ50歳以上の企業家が注目を集める傾向にある。スタートアップへの投資に特化したベンチャーキャピタルBrilliant Mindsの創設者カテリーナ・ストロポニアティ氏によれば、それは時代の変遷とともに変わる起業家の“ある能力”に関係している。50歳以上の起業家が注目されるのはなぜなのか。
ストロポニアティ氏 シリコンバレーでは、年齢を理由に差別を受けることがよくある。「若くなければ最新のツールや技術に適応できない」という固定観念が従来はあったからだ。しかし、この状況は変わりつつある。
データを見ると、50歳以上で初めて創業する人材の多くがAIやブロックチェーンといった最先端技術を駆使していることが分かる。AI技術の利用が広がった今、シニアを含め多くの起業家がAI技術をコパイロット(補佐役)として活用している。
Brilliant Mindsの投資先の一つに、56歳女性が創業したスタートアップがある。創業者はeコマース(EC:電子商取引)分野でキャリアを積んできた実績があり、AI技術を用いてeコマースを改善するサービスを構築している。AI技術を駆使してビジネスを加速させる流れは、今後さらに広がるだろう。
ストロポニアティ氏 AI時代に求められるのは、AIツールを効果的に活用するためのコミュニケーション能力だ。曖昧な指示ではAIツールを使いこなせないため、「何をしてほしいか」を具体的に伝えるスキルが重要だ。加えて、自分の専門分野について深く理解し、分野で起こり得る問題や必要なデータを把握している必要がある。
ただのプログラミング能力はもはやコモディティ化(一般化)しており、中心的な価値は「明確に伝える力」を持つ人に移っている。高齢人材は若い人材に比べて現場での経験や知恵を積み重ねているため、これらのスキルに優れていると言える。
私は現在40歳で、26歳で最初のスタートアップを立ち上げた。当時何百万ドルもの資金を信託されたが、今の自分はさらに多くの知識と経験を持っている。50歳や60歳のシニア人材が持つ価値は計り知れない。年齢を重ねることは悪いことではなく、良いことなのだ。
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