AI技術が普及する中で、人間の一部の仕事はAI技術に代替される可能性がある。反対にAI技術に代替されないのはどの職種なのか。エンジニアはどのようなキャリアプランを構築すべきなのか。
ソフトウェア開発におけるソースコード生成やテストの自動化など、自動化ツールや人工知能(AI)ツールの活用は着実に進んでいる。こうした中で、一部のエンジニアからは「AIに仕事を奪われるのではないか」と危惧する声も上がっている。「AIに代替されにくいITエンジニア職」には何があるのか。AI時代を生き残るためのキャリア戦略と併せて解説する。
IDとアクセスの管理(IAM)エンジニアは、許可されたユーザーとデバイスだけが機密データにアクセスできるようにするIAMシステムの開発、テスト、実装を担う。
クラウドサービスやIoT(モノのインターネット)デバイス、ソーシャルメディアなど、エンドポイントの数と、各エンドポイントが保有するデータ量は飛躍的に増加しており、それらにアクセスできるユーザーを安全に保護する必要性が高まっている。こうした背景から、IAMエンジニアの需要は強まっている。
IAMエンジニアには、コンピュータサイエンス関連の学位に加えて、オープン規格であるJWT(JSON Web Token)などの知識が求められる。シングルサインオン(SSO)、プログラミング言語、OSなど、幅広い技術の経験も必要だ。
ITディレクターもしくはITマネジャーには、高度な技術的専門知識が求められる。それに加えて、優れたビジネスセンス、目標を達成するために周囲を巻き込む能力、指導スキル、人材育成スキル、適切に仕事を割り当てる能力などが求められる。
ITディレクターとしての価値が最も発揮されるのは、従業員と関係性を構築したり、鼓舞したりする場面であり、これはAI技術には代替できないスキルだ。
ITディレクターを目指すなら、組織のビジネスモデルを形成する実務やプロセスをしっかりと理解する必要がある。IT部門とコミュニケーションを取り、適切な技術を採用してもらうように動機付けするスキルも求められる。
ITプロダクトマネジャーは、技術やサービスの導入、変更管理を担う。つまり、HR(人事)ツールや生産性向上ツールをはじめとした、組織で使用するアプリケーションやサービスの代表所有者となる。
ITプロダクトマネジャーは、技術戦略を考える能力だけでなく、ソフトスキルも求められる。組織内で新しい技術やシステムを導入する際は、変更が従業員に与える影響を理解し、適切に支援することが必要だ。特に組織内で何かが変わる時、従業員は不安を感じる傾向にある。親しみやすい担当者の存在が、職場に安心感をもたらす。
一般的に、ITプロダクトマネジャーにはコンピュータサイエンス関連の学位などが求められる。この職種を目指す場合は、ソフトウェア開発、プロジェクト管理、プロダクトマネジメントに関するトレーニングを受ける必要がある。関連する認定資格を取得して経験を積むことも推奨される。
近年、AIツールや自動化ツールの導入が進む中で、IT系のキャリアにはさまざまな変化が起きている。激動の時代に生き残るためには、技術トレンドを理解することが欠かせない。
例えば、デジタルエンターテインメント企業Sony Interactive Entertainmentのテクノロジーアーキテクトを務めるジョエル・オレソン氏は、「技術サポートの分野ではセルフサービス化が進んでおり、今後コールセンターの存在意義は低くなるだろう」と見込んでいる。
AI技術を活用することで、人々の生産性は向上し、その結果必要な人材の数は減る。こう話すのは、ニューヨーク大学(New York University)のグローバル最高情報責任者(CIO)ドナルド・ウェルチ氏だ。今後最も生き残る可能性が高いのは、対人関係のスキルを要する職種だと同氏は話す。代表的なものとして、ビジネスアナリストやサービスマネジャー、現場の技術者などがある。
変化が急速に進む中で、安定した仕事と成長の機会を得るためには、継続的な学習が不可欠だ。デジタルマーケティング企業TinuitiのCIOを務めるケネス・コリボー氏は、「技術者は自身の適応力を高め、AI分野の知識やスキルを伸ばすべきだ」とアドバイスする。業務の中で、AI技術を生かせる領域を見つけたら、その実現に積極的に取り組む。「AIスキルを高めるだけでなく、自身のスキルを経営陣にアピールし、新たなキャリア機会を得ることにもつながる」とコリボー氏は話す。
ペンジルバニア州立インディアナ大学(Indiana University of Pennsylvania)のCIOであるビル・バリント氏は、「AI技術の仕組みを理解しつつ、それがビジネスで実際にどう使われるかを知ることが重要だ」と話す。
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