AIで変わる「IT系職種の需要」【後編】
AI時代に消えない「エンジニア職」3選 生き残るのは“あれ”な仕事
AI技術が普及する中で、人間の一部の仕事はAI技術に代替される可能性がある。反対にAI技術に代替されないのはどの職種なのか。エンジニアはどのようなキャリアプランを構築すべきなのか。
ソフトウェア開発におけるソースコード生成やテストの自動化など、自動化ツールや人工知能(AI)ツールの活用は着実に進んでいる。こうした中で、一部のエンジニアからは「AIに仕事を奪われるのではないか」と危惧する声も上がっている。「AIに代替されにくいITエンジニア職」には何があるのか。AI時代を生き残るためのキャリア戦略と併せて解説する。
AI時代に生き残るエンジニア職種は?
併せて読みたいお薦め記事
連載:AIで変わる「IT系職種の需要」
キャリアに役立つ情報を解説
7.IAMエンジニア
IDとアクセスの管理(IAM)エンジニアは、許可されたユーザーとデバイスだけが機密データにアクセスできるようにするIAMシステムの開発、テスト、実装を担う。
クラウドサービスやIoT(モノのインターネット)デバイス、ソーシャルメディアなど、エンドポイントの数と、各エンドポイントが保有するデータ量は飛躍的に増加しており、それらにアクセスできるユーザーを安全に保護する必要性が高まっている。こうした背景から、IAMエンジニアの需要は強まっている。
IAMエンジニアには、コンピュータサイエンス関連の学位に加えて、オープン規格であるJWT(JSON Web Token)などの知識が求められる。シングルサインオン(SSO)、プログラミング言語、OSなど、幅広い技術の経験も必要だ。
8.ITディレクター
ITディレクターもしくはITマネジャーには、高度な技術的専門知識が求められる。それに加えて、優れたビジネスセンス、目標を達成するために周囲を巻き込む能力、指導スキル、人材育成スキル、適切に仕事を割り当てる能力などが求められる。
ITディレクターとしての価値が最も発揮されるのは、従業員と関係性を構築したり、鼓舞したりする場面であり、これはAI技術には代替できないスキルだ。
ITディレクターを目指すなら、組織のビジネスモデルを形成する実務やプロセスをしっかりと理解する必要がある。IT部門とコミュニケーションを取り、適切な技術を採用してもらうように動機付けするスキルも求められる。
9.ITプロダクトマネジャー
ITプロダクトマネジャーは、技術やサービスの導入、変更管理を担う。つまり、HR(人事)ツールや生産性向上ツールをはじめとした、組織で使用するアプリケーションやサービスの代表所有者となる。
ITプロダクトマネジャーは、技術戦略を考える能力だけでなく、ソフトスキルも求められる。組織内で新しい技術やシステムを導入する際は、変更が従業員に与える影響を理解し、適切に支援することが必要だ。特に組織内で何かが変わる時、従業員は不安を感じる傾向にある。親しみやすい担当者の存在が、職場に安心感をもたらす。
一般的に、ITプロダクトマネジャーにはコンピュータサイエンス関連の学位などが求められる。この職種を目指す場合は、ソフトウェア開発、プロジェクト管理、プロダクトマネジメントに関するトレーニングを受ける必要がある。関連する認定資格を取得して経験を積むことも推奨される。
AI時代に生き残るためのキャリア戦略とは?
近年、AIツールや自動化ツールの導入が進む中で、IT系のキャリアにはさまざまな変化が起きている。激動の時代に生き残るためには、技術トレンドを理解することが欠かせない。
例えば、デジタルエンターテインメント企業Sony Interactive Entertainmentのテクノロジーアーキテクトを務めるジョエル・オレソン氏は、「技術サポートの分野ではセルフサービス化が進んでおり、今後コールセンターの存在意義は低くなるだろう」と見込んでいる。
AI技術を活用することで、人々の生産性は向上し、その結果必要な人材の数は減る。こう話すのは、ニューヨーク大学(New York University)のグローバル最高情報責任者(CIO)ドナルド・ウェルチ氏だ。今後最も生き残る可能性が高いのは、対人関係のスキルを要する職種だと同氏は話す。代表的なものとして、ビジネスアナリストやサービスマネジャー、現場の技術者などがある。
変化が急速に進む中で、安定した仕事と成長の機会を得るためには、継続的な学習が不可欠だ。デジタルマーケティング企業TinuitiのCIOを務めるケネス・コリボー氏は、「技術者は自身の適応力を高め、AI分野の知識やスキルを伸ばすべきだ」とアドバイスする。業務の中で、AI技術を生かせる領域を見つけたら、その実現に積極的に取り組む。「AIスキルを高めるだけでなく、自身のスキルを経営陣にアピールし、新たなキャリア機会を得ることにもつながる」とコリボー氏は話す。
ペンジルバニア州立インディアナ大学(Indiana University of Pennsylvania)のCIOであるビル・バリント氏は、「AI技術の仕組みを理解しつつ、それがビジネスで実際にどう使われるかを知ることが重要だ」と話す。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
4
“アジャイルの壁”に挑むオリックス生命がIBMの開発管理ツールを選んだ理由
-
5
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
-
6
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
7
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
8
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
9
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
10
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー