多くの日本企業で導入され始めている社内ブログ/SNS。そこで社員が日記を定期的に書くという行動が、実はあの有名な「2ちゃんねる」への投稿と不思議な関係にあることが見えてきました。
2006年辺りから、規模の大小を問わず多くの日本企業では、社内ブログ/SNSの導入が活発化し始めています。それに併せて、各ソフトウェアベンダーでも社内ブログ/SNSの製品発表が始まっています。例えば、マイクロソフトは昨年末「Microsoft SharePoint Server 2007」の機能に、ブログを含むSNSを装着しています。
Microsoft Office SharePoint Server ホームページより引用
Microsoft Office SharePoint Server 2007 の個人用サイトにより、共通の関心を持つ同僚を識別します。Social Networking Web Parts では、個人の組織、コミュニティ、および電子通信に関する情報を使用して、より適切な検索結果を作成します。
また米IBMは、米フロリダ州オーランドで開催されている年次カンファレンス「Lotusphere」(2007年1月)で、ブログを含むSNS機能「Lotus Connections」を発表しました。この領域には我が国でもブログのドリコム、SNSのBeat Communicationを始め、多くのベンチャー企業が参入しています。
恐らく2007年には、我が国でも一時のグループウェアの導入ブームに近い社内ブログ/SNSの導入ブームが始まるでしょう。
それでは、社内ブログ/SNSには一体、どのような効果があるのでしょうか?
既存のグループウェアとは何が異なるのでしょうか。筆者もちょっと調査をした結果、なかなか興味深い結論が出ました。
既に、多くの先進的な日本企業では社内ブログ/SNSの導入により、これまでのグループウェアには見られなかった面白い現象に直面しています。
まず、お互いの日記などを読み合うことによって、見知らぬ社員同士がお互いに親近感を感じ、それがお互いの「信頼感」に繋がっていくという現象です。これは社会心理学上、「単純接触の原理」と呼ばれています。以前から、SNSのミクシィ上や仲間内でブログを読み合う事例がインターネット上では報告されていました。それと同じことが企業内のイントラネット環境でも起こり始めている、と思われる事例が多数出現しています。
また、社内ブログ/SNSでは、社員が定期的に書く日記が、社員のプロフェッショナルへの成長を支えているという報告もあります。日記という自己物語を書くことにより、「自分は何者なのか」をいつも自問自答して、アイデンティティ(自分探し)の見直しを行っているわけですね。それに仲間がコメントを付けて励まします。その結果、人の成長において、心理学上有名な「ピグマリオン効果」が働くと考えられるという報告です。
筆者は、「2ちゃんねる」への書き込みが明らかに減少したという声を多くの企業から聞いています。これはちょっと想定外であり大きな驚きでした。前に述べたような穏やかな環境の下、社員の心に「自浄効果」(カタルシス効果)が働いた結果であると思われます。
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