Google Apps for Workユーザー企業3社の導入事例
アシックス、19年間使ってきたメールシステムをリプレースして「Gmail」導入、決断のきっかけは?(1/3 ページ)
グーグルは、2015年6月17日と18日に「Google Atmosphere Tokyo 2015」を開催した。その中で披露された「Google Apps for Work」の活用事例を3つ紹介する。
グーグルの「Google Apps for Work(Google Apps)」は、メールやドキュメント作成、インスタントメッセージ、Web会議など多くの機能を持つコラボレーションスイートだ。複数人で同時にドキュメントの更新ができたり、端末を選ばずどこからでもアクセスできることがGoogle Appsの特徴である。
厚生労働省は、2014年4月1日に職場意識改善助成金として「テレワークコース」を新設した。Google Appsもその対象だ。テレワークコースは、労働時間などの設定改善および仕事と生活の調査推進のために設けられた助成金である。在宅またはサテライトオフィスで就業するテレワークに取り組む企業に対して助成する。
このようにテレワークコースの助成対象としても注目されているGoogle Apps。その提供元であるグーグルが2015年6月17、18日に「Google Atmosphere Tokyo 2015」を開催した。同イベントでは、テクノロジーの発展やクラウドの普及によって変わる今後の働き方、Google Appsの活用事例などに関する講演が充実していた。今回は、その講演からアシックス、TOTO、ミサワホームの3社の事例を取り上げる。
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アシックス:19年間使っていたサービスからの切り替え
ランニングや野球、サッカーなど多くのスポーツ用品を製造・販売するアシックス。子会社を国内13社、米国、欧州、アジアなど海外で40社と事業展開しているグローバル企業だ。Google Appsに切り替える以前は、1994年から2013年までの19年間、グループウェア、コラボレーションのためのツールとして日本アイ・ビー・エムの「Lotus Notes」を使っていた。
海外売り上げ比率が伸びていく中、アシックスでは世界中の社員と一緒にコラボレーションツールを使う必要性が高まってきた。こうした中、メールやテレビ会議の機能を中心に使用してきたLotus Notesでは機能的に限界を感じるようになった。そのため、新しいツールを検討し、Google Appsを選定したという。
導入効果
アシックスは、世界25カ国の拠点に約7カ月掛けてGoogle Appsを導入した。これは予定していた導入計画よりも2カ月早い。「今までのプロジェクトでここまで早められたのはまれなケースだ」と、同社 執行役員 グローバルIT統括部長 本間雄一氏は話す。社員が「Gmail」や「Google ドライブ」などのツールに日常的に使い慣れていることもあり、トレーニングに時間をかけずに済んだことが、導入を早めることができた大きな要因だったのではないかと本間氏は言う。
Google Apps、特にGmailの導入は、メールの運用コスト削減という具体的な効果をもたらした。Lotus Notesを使用していたころは、メールの容量を1人当たり300Mバイトまでに制限していた。そのため、従業員や会社でメール容量の維持管理に大きな労力を掛けていた。それがGmailへ移行することで、メールの容量が1人当たり30Gバイトに増え、容量を維持管理する時間やコストを削減できた。更に、コスト削減以外のメリットもあり、Gmailの検索機能により目的のメールにたどり着くまでの時間を短縮することができるようになったという。
アシックスはGoogle Appsの導入に合わせて、メールアーカイブサービス「Google Apps Vault」を導入した。Google Apps Vaultは、メールやチャットなどのGoogle Appsで実行された電子的やりとりを全てアーカイブする機能を持つ。海外展開を進めると、各国の法規制が複雑で特許侵害などの訴訟リスクが上昇する。例えば、米国の民事訴訟における電子データ開示手続き「e-Discovery(電子情報開示)」では、メッセージのアーカイブ機能が監査で役立つ。Lotus Notesを利用していた当時は、バックアップを1週間に1度取得していた。だが、e-Discoveryでは、関連する電子データを直ちに保全し、可能な限り速やかに裁判所に提出する必要がある。Lotus Notesでは、訴訟対策としては不安があった。「メールやチャットなどの電子的やりとりを全てアーカイブできるVaultは非常に有用でガバナンス強化につながった」と本間氏は述べる。
今後の活用
アシックスはGoogle Appsを導入した目的として「いつでも、どこでも、どんなデバイスからでもコミュニケーションできること」を掲げていた。それは少しずつ達成しつつある。今後は、ドキュメントを複数人で同時に編集できる機能やソーシャルネットワーキングサービス「Google+」など、社内のごく一部で使用されている機能やサービスの利用を全社的に広めていきたいという。「それらの機能を使い、部門間や国を越えたコラボレーション強化を進めて、ビジネスを加速させていきたい」(本間氏)
「将来的には、クライアントPC内部にドキュメントデータを持たせないようにし、メールや資料作成など仕事を全てオンラインで完結できるようにしたい」と本間氏は意気込む。
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