現在ほとんどのスマートフォンが無線LANをサポートしている。その多くは最新のIEEE802.11acに対応している。ただし、一部の低価格帯ではIEEE802.11nまでというモデルも残っている。ほとんどのスマートフォンは、デュアルバンドをサポートしており、2.4GHz帯と5GHz帯の無線LANに接続可能だ。5GHz帯は一般的に通信速度が速く安定性が高い。これは、この帯域を利用するデバイスが“今のところ”少ないからだ。
無線LANの他にも、スマートフォン本体と周辺デバイスとの通信手段は幾つか存在する。
全てのスマートフォンで導入している。ワイヤレススピーカー、ヘッドセット、イヤフォン、キーボードなどのアクセサリーをモバイルデバイスに接続するときによく使う。Bluetoothのバージョンには、1.0、2.0、3.0、4.0がある。バージョン4.0は、Bluetooth Smart、BLE(Bluetooth Low Energy)または単にLE(Low Energy)と呼ぶことも多い。2016年3月時点では、バージョン4.2が最新のアップグレードになる。バージョン4.2は接続速度が速く、インターネット接続を強化している。また、セキュリティもより堅固になった。なお、AppleはBLEを独自に拡張した「iBeacon」を提供している。
Bluetoothは下位互換なので、Bluetooth 4.0スマートフォンをBluetooth 3.0スピーカーとペアリングできる。スマートフォンが外部デバイスと通信するためには、スマートフォンに外部デバイスと同等か、それ以上のBluetooth規格を搭載している必要がある。Bluetooth 4.0対応ヘッドセットをペアリングするには、スマートフォン側もBluetooth 4.0をサポートしていなければならない。
写真や連絡先などのデータをスマートフォンから別のNFC対応デバイスにケーブルを使用せずに転送できる。NFCは、Appleの「Apple Pay」、Samsung Electronicsの「Samsung Pay」、Googleの「Android Pay」などによる店頭での電子決済で採用している。
USBはスマートフォンの充電に使用する(Micro USB)ほか、有線接続でデータ転送ができる。現在のスマートフォンで一般的なのはMicro USB(USB 2.0)と新しいUSB Type-C(USB 3.1をサポート)だ。USB Type-Cは、コネクタが上下方向の関係がないリバーシブル形状で、USB 3.0/3.1デバイスへのデータ転送を短時間で行えるなど、USB Type-Cを備えたスマートフォンは使い勝手がいい。USB Type-Cデバイスを選ぶデメリットの1つは、別のケーブルが必要になるため、所有している予備のMicro USBケーブルが流用できないことだ。また、USB Type-Cケーブルは、PCや外部デバイスでまだ数多く残っているType-A USBと互換性がないため、USB Type-C/Type-Aアダプターが必要になる。
対応しているUSBの規格を確認するときに注意したいのは、新モデルのスマートフォンが必ず最新のインタフェースを搭載しているわけでないことだ。Samsung Electronicsの「Galaxy S5」は、Micro USB 3.0を搭載していたが、その次のモデルとなった「Galaxy S6」と「Galaxy S7」ではMicro USB 2.0に戻り、転送速度の面では後退している(ただし、これは、Micro USB 3.0に対応したケーブルがコスト高で普及しなかったいう事情も考慮すべきだ)。
iPhoneが搭載するインタフェースの変遷でも同じような留意事項がある。Appleは、iPhoneなどで長く使ってきた30ピンコネクタの後継規格として「Lightning」という独自インタフェース規格を採用した。LightningはMicro USBケーブルやUSB Type-Cケーブルと互換性がないので、Lightning専用ケーブルを他のケーブルと一緒に携行する必要がある。
システムRAMとフラッシュRAM(日本のベンダーが示すスマートフォンのスペックシートでは「ROM」と記載することが多い。この記事でもROMと記載する)は、どちらも半導体メモリのカテゴリに属しているが、それぞれの役割は異なる。システムRAM(Random Access Memory)の容量は、PCと同様に、スマートフォンのマルチタスク性能や大容量データを扱う処理速度に影響する。システムRAMの容量が多いほど、処理速度は速くなり安定して動作するようになる。一方で、ユーザーの用途次第ではシステムRAMをフルに活用せずに持ち腐れになることもあり得る。2016年3月時点におけるスマートフォンハイエンドモデルにおけるシステムRAMの容量は4GBが多い。
ROM(その実態はフラッシュRAM)は、スペックシートに「内蔵ストレージ」「容量」という単語と共に記載する。ここで示す値は、静止画、動画、音楽、アプリなどのデータを格納できるストレージの容量を表しているわけではない。ユーザーが利用できる内蔵ストレージの容量は、最初から導入しているOSとプリインストールアプリが消費した分を差し引いている。スマートフォンによっては、OSとプリインストールアプリが内蔵ストレージを10GB消費している場合もある。購入する前には実際に利用可能なストレージ容量を確認しておきたい。
スマートフォンの内蔵ストレージ容量は、16GB、32GB、64GB、128GBが一般的だ。アプリがサイズアップするとともに、静止画像や動画のファイルサイズも大きくなっているので、16GBでは足りなりユーザーが多いだろう。4K(3840×2160ピクセル)動画の撮影に対応したスマートフォンを購入する場合には、ストレージが64GB未満は購入候補から外すべきだ。
スマートフォンによってはmicroSDカードスロットを備えており、内蔵ストレージを拡張できる。Android搭載スマートフォンでは、(OSとベンダーが設定した制約内において)microSDカードを内蔵ストレージとしてマウントでき、そこでアプリを保存して実行可能だ。マウントしない場合、microSDカードには静止画や動画などのファイルを保存できる。
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