SSDをはじめとするフラッシュストレージの価値を数値化することは難しい。だが導入によって得られるメリットは明確だ。主要な6つのメリットを示そう。
SSD(ソリッドステートドライブ)をはじめとするフラッシュメモリベースのストレージドライブ(以下、フラッシュストレージ)には、価値評価のための適切な尺度がないという難点がある。フラッシュストレージはHDDと比べ、データを保存し取り出す能力を飛躍的に向上させる。だが電気機械装置であるHDDからデータへアクセスする場合と比べて、フラッシュストレージを使用する場合の価値を数値化することは難しい。
業界では評価基準としてデータ保存コストを使用することが多い。この基準にはアクセス時間や寿命といった、より重要な特性は反映されない。データ保存コストはGB当たりのコストで表すが、この数字は誤解を招きかねず、経済的な価値を正しく示すものではない。データ保存コストがデータストレージの唯一の評価基準だとすれば、最も安価なメディアである磁気テープを全てのオペレーションに使えばいい、ということになる。
全ての容量をフラッシュメモリで賄う「オールフラッシュストレージシステム」の評価基準として、IOPS(1秒間に処理できるI/O数)当たりのコストを採用するベンダーもある。だがこれはストレージシステム全体の数値であり、フラッシュストレージの価値を表すものではない。
ストレージシステムで実行できるI/O処理の数は、何千台ものHDDで「ショートストローキング」という並列処理手法を取ることでも増大できる。またIOPS当たりのコストには、I/Oのレスポンスタイムの増加は直接反映されない。アプリケーションを高速化し、より多くの処理を実行する上で、レスポンスタイムは最も重要な基準だ。
ではフラッシュストレージの価値は、どう評価するのがベストなのだろうか。実際、それは場合によりけりだ。
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