化粧品会社L'Orealでは、年間求人応募数が200万人に上る。145人の採用担当者で対応しているが、さらなる効率化のために人材採用プロセスを補助するチャットbotを導入した。
化粧品会社L'Orealは求人応募者への対応を改善するために人材採用チャットbotを導入した。この人事部門向けAI(人工知能)技術の導入を実現するに当たり、同社のグローバル人事部門の最高デジタル責任者ニーレシュ・ボーイテ氏はまず、投資効果を経営陣に上申するためのビジネスケースを作成しなければならなかった。さらに「このチャットbotを導入したら仕事がなくなるのではないか」という採用担当者たちの不安も払拭(ふっしょく)する必要があった。ボーイテ氏はこの2つの難題をどう解決したのか。
L'Orealの求人に応募する人は年間約200万人、そのうち採用されるのは約5000人だ。ところがソーシャルメディアへの書き込みを調べると「応募したのに同社から何の返事もなかった」という声が出ていることが分かった。そこで「応募者も顧客だ」という発想で対応を改善し、145人の採用担当者の業務を効率化することに決めた。まず本当に「応募者も顧客」なのか検証することから取り掛かった。HRテクノロジーのイベント「HR Tech Conference & Expo 2018」でのインタビューとプレゼンテーションで、ボーイテ氏は同社の取り組みを紹介した。
AIの投資効果を説明するビジネスケースを作成するために、ボーイテ氏は英国内の求人応募者の電子メールアドレスと、同社の各種ブランドの顧客関係管理(CRM)データベースを照合した。
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