OpenStackを導入したとしても、DRやバックアップに関しては面倒な作業を要求されることは珍しくない。この煩雑さを回避するため、サードパーティー製ツールに目を向ける企業もある。
オープンソースのクラウドプラットフォームOpenStackによってシステム運用の煩雑さから解放されると考えるITチームがいるかもしれない。一方で、OpenStackが持つバックアップ機能とDR(災害復旧機能)では物足りないというITチームもいるだろう。幸いにも、数社のベンダーやOpenStackコミュニティー全体が、バックアップとDRの堅牢(けんろう)性を高め、扱いやすくする取り組みを続けている。
「OpenStackのバックアップ」と、「OpenStackを使用したアプリケーションワークロードのバックアップ」は別の問題だと話すのは、調査会社451 Researchでアナリストを務めるカール・ブルックス氏だ。例えば、システム管理者は、使用しているOpenStackのコンポーネントごとに、クラウドでのバックアップと復旧プロセスを手作業で行うか、そうしたプロセスを実行するソフトウェアツールを探す必要がある。
「IaaS環境を正しく設定するための単調な作業としてはよくあることだ」(ブルックス氏)
OpenStackのバックアップにおける課題は、実装の細かい部分や使っているツールセットによって異なる。調査会社IDCでアナリストを務めるラウラ・デュボワ氏は、ストレージ管理を行うためのOpenStackのブロックストレージサービス「Cinder」について言及している。このツールはクラウドへのバックアップ、DR用のコマンドラインインタフェース、APIを備えている。他にも、さまざまな商用製品やオープンソース製品がバックアップドライバを有する。以下はその例だ。
「こうしたドライバは、ボリュームの増分バックアップ、差分バックアップ、フルバックアップを行うための基本機能を提供するだけだ。実際の実装によって導入効果は異なる」(デュボワ氏)
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