AdobeとUberのデジタルトランスフォーメーション【前編】
AdobeとUberに学ぶ、イノベーションにおけるCIOの役割
企業が熱心に取り組む「デジタルトランスフォーメーション」が、CIOや担当者に大きな課題をもたらしている。
変化には困難がつきものだが、デジタルトランスフォーメーションにはそれだけの価値がある。インシデント管理サービスをクラウドで提供するPagerDutyがサンフランシスコで開催した年次イベント「PagerDuty Summit 2019」はそう発信していた。
AdobeとUberからの登壇者が参加したパネルディスカッションでは、デジタルトランスフォーメーションがもたらす課題とイノベーションにおけるCIO(最高情報責任者)の役割がテーマとなった。
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これからのCIOの役割
デジタルトランスフォーメーションへの道
失敗することにも意義がある
UberのITエンジニアリング責任者であるショーバナ・アルワリア氏は「大企業には多くのリソースがあるが、会社の規模が大きくなればなるほど変革は難しくなる」と語った。変革を進めるには、既に確立しているシステムや考え方を壊さなければならない。会社の規模が大きいと、失敗した場合のコストも大きい。だが失敗することにも意義があるというのがアルワリア氏の考えだ。
「失敗を恐れないことが重要だ。卓越したものを追求しようとしてそこから学ぶことがあれば、たとえ失敗しても意義がある」とアルワリア氏は語る。同氏によるとUberでは、失敗は恥ずべきことではなく、重大な過失でない限り解雇されることもない。
「責任は深く追及しない」のがUber流
Uberの哲学においては、何か問題が起こった場合でも責任の所在は深く追及しないという。「CEOも交えてみんなで集まり、何が問題だったのか、どうしたら再発を防ぐことができるのか、オープンに話し合う」とアルワリア氏は語る。
企業のデジタルトランスフォーメーションでは、課題にぶつかることや物事が計画通りに進まないこともある。だが「さまざまな問題に関して神経をとがらせたり、気をもんだりすることも私たちの仕事だ」とアルワリア氏は言い切る。「それでも声を上げて正直に発言していくことは、チームが事態を改善するチャンスになる」(同氏)というのだ。
PagerDutyでCEOを務めるジェニファー・テハダ氏も同イベントにおける記者会見で「何か問題が発生したら事後分析を公開する。透明性の確保が信頼につながる。重要なのは、インシデントから学んだことを示し、再発を防ぐことだ」と述べている。
そのイノベーションは望まれているか
Adobeのシニアバイスプレジデント兼CIOのシンシア・ストッダード氏は、革新的であることや、新しいテクノロジーを導入することが、必ずしも最善の道とは限らないと語った。
デジタルトランスフォーメーションの課題を回避するために、Adobeは従業員を顧客と同じように扱って、従業員が何を望み、どのようなものが役に立つかを確認している。同社本社には「Lab 82」呼ばれるエリアがあり、新しい職場向けテクノロジーの実験場所にしている。そこでは従業員に新しいテクノロジーを試してもらい、どのように反応するかを確かめる。
デジタルホワイトボードやハイテクチェア、360度会議システムなど、何でもこのLab 82でまず実験的に使ってみる。従業員は観察されていることを承知している。「従業員が使いたがらないテクノロジーを導入しないことで、恐らく何百万ドルもの節約になった」とストッダード氏は語った。
例えば、従業員の質問に答える「Rose」というチャットbotを導入したことがあったという。「画面の上では非常によくできているように見え、私はかなり気に入っていた」とストッダード氏は振り返る。ところが2カ月ほどでRoseが役に立たないことが分かり、リプレースすることになった。「それを言い出す勇気があったのはよかったと思う。全て順調だと思い込んでいたら事態はますます悪化していただろう」(同氏)
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AdobeとUberのデジタルトランスフォーメーション
「PagerDuty Summit 2019」にAdobeとUberのIT部門トップが登壇し、パネルディスカッションで、デジタルトランスフォーメーションがもたらす課題とイノベーションにおけるCIOの役割をテーマに語った。
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