メモリ技術の進化は現時点でどこまで見えているのだろうか。Intelやキオクシア(旧東芝メモリ)、Western Digitalなどの動向から、144層3D NAND、PLC NANDといったメモリ新技術の動向を紹介する。
前編「Intelの『Optane』新世代メモリはNANDフラッシュメモリよりどれだけ優秀か?」では、「3D XPoint」技術をベースにしたIntelのメモリ「Optane」に関連する製品動向を紹介した。Intelが2020年のロードマップにおいて公表したのはOptaneに関する計画だけではない。キオクシア(旧東芝メモリ)やWestern Digitalの動きも交えつつ、NANDフラッシュメモリの新技術に関する動向を紹介する。
Intelで不揮発性メモリ(NVM)事業を担当するクリスティー・マン氏によれば、2019年に販売を開始したメモリモジュール「Optane DC Persistent Memory」(Optane DCPM)が早期に導入される可能性のある用途は、データベース、AI(人工知能)、アナリティクス、仮想化インフラ、ストレージなどだという。
Intelの広報は、米国の国立研究所であるArgonne National Laboratory、ITコンサルティング企業のT-Systems、通信事業会社Verizon Communicationsといった企業や、クラウドサービスプロバイダーなど200組織以上でPoC(概念実証)が進行しているという。
Optane DCPMを使用した製品やサービスを開発中の主要OEM(相手先ブランドによる製造)メーカーやソフトウェアベンダー、クラウドサービスプロバイダーは少なくない。Intelの広報は、Alibaba、Cisco Systems、Dell EMC、Google、Hewlett Packard Enterprise、Microsoft、NetApp、Oracle、SAP、SASなどを挙げている。
ITコンサルティング企業Taneja Groupでシニアアナリスト兼コンサルタントを務めるジェフ・カトウ氏は次のように話す。「OEMメーカーが増えることは、OptaneがNVM市場において将来も有望であり続けることを示唆するものであり、市場において信頼性を得るために重要だ。将来市場から放逐されないことが分かっていれば、企業は安心してOptaneを購入できる」
Intelは最近、ニューメキシコ州リオランチョにOptaneの新しい技術開発用の生産ラインを導入したが、大量生産の計画はまだ明らかにしていない。IntelとMicron TechnologiesはOptaneのベースになるメモリ技術「3D XPoint」の共同開発を終了したものの、Intelは引き続きMicronとの協力関係を維持している。
Optane DCPMは現在、主にサーバに利用されている。Intelによれば、大容量データを扱うコンテンツクリエイターなどが使用するワークステーションにも間もなく搭載される可能性がある。IntelのNVM事業を担当するデビッド・ランデル氏は、Optane DCPMは1CPU当たり最大3TB、ワークステーション1台当たり6TBを提供すると説明する。
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