SANに使用するストレージインタフェースとしてFCとiSCSIのどちらを選択すべきなのか。4つのポイントで2つの技術を比較する。
「ファイバーチャネル」(FC)と「iSCSI」(Internet Small Computer Systems Interface)は、複数のサーバやストレージシステムを接続する「SAN」(ストレージエリアネットワーク)に使用されるストレージインタフェースだ。
iSCSIとFCはいずれもSANの技術的問題を解決することを目指しており、この2つの技術で実現できることの違いは微妙だ。どちらかを選択するに当たって、次の4つのポイントで比較するとよい。
FCはレイヤー2(L2)のデータ伝送単位であるフレームの転送技術であるカットスルー方式(受信したフレームの宛先部分を読み込み、残りのフレームを順次転送する方式)を採用しており、プロトコル処理は基本的にハードウェアが担う。iSCSIはSANで使用されていたストレージインタフェースであるSCSI(Small Computer System Interface)のパケットをTCP/IPネットワークで転送できるようにしている。iSCSIのプロトコルはレイヤー3(L3)のスイッチング技術であり、プロトコル処理はソフトウェアかハードウェア、または両者の組み合わせで実施する。
しばしばFCは「パフォーマンスが高くて信頼性の高いストレージインタフェースだ」と宣伝される。iSCSIが登場した当初は、確かにこれは事実だった。だが現在、これが必ずしも正しいとは限らない。
現在、パフォーマンスのボトルネックがあるとすればストレージインタフェース以外にある可能性が高い。ストレージシステムを制御するストレージコントローラーのキュー深度(キューに格納できるコマンド数)、クラスタ構成、ディスク数、ディスクの種類といった点に問題がある可能性がある。他にも物理サーバ、SANファブリックのオーバーサブスクリプション比(スイッチの全ポート合計の通信路容量がファブリックの容量をどれだけ超えているかを示す数値)に問題がある可能性もある。
FCとiSCSIのパフォーマンスはどちらが優れているのか。全く同じ条件で使用するなら、IOPS(1秒当たりに処理できるI/O数)とスループット(実効的なデータ転送速度)はFCの方がわずかに高い。FCのIOPSが高いのはレイテンシ(遅延)の低さ、スループットが高いのはオーバーヘッド(余分な処理による負荷)の小ささというFCの特徴があるからだ。
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