ビジネスチャットツールが魅力的でも、それによる変化を受け入れる文化が社内になければ導入はままならない。伝統を重んじる保険業でありながら「Slack」の大規模導入に成功したPan-American Lifeの決断とは。
生命保険会社Pan-American Life Insurance Groupの最高情報責任者(CIO)を務めるミゲル・エドワーズ氏は、2020年1月から社内システムのモダナイゼーション(最新化)計画に着手した。世界各地のITスタッフ200人のコラボレーションを改善する方法を検討し、Slack Technologiesのビジネスチャットツール「Slack」の標準プランである「Standard」(スタンダード)を採用することにした。
当初Pan-American LifeはIT部門にのみSlackを導入する計画だった。2020年3月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が米国で拡大し始め、Pan-American Lifeは全社的にテレワークに切り替えた。21カ国にいる従業員2200人がテレワークに移行したため、エドワーズ氏はIT部門以外にもビジネスチャットツールが必要だと考えた。そこでSlackの大規模組織向けプランである「Enterprise Grid」にアップグレードした。
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