MicrosoftやGoogleは、SaaS連携のためにどのようなツールを提供しているのか。両社の主要ツールとそれらの特徴を説明する。
複数のSaaS(Software as a Service)間でデータを安全に転送するための手段に「SaaS連携ツール」がある。Amazon Web Services(AWS)のSaaS連携ツールを紹介した前編「『Amazon AppFlow』『Amazon EventBridge』の基礎 AWSの2大SaaS連携ツール」に続き、中編はMicrosoftとGoogleが提供するSaaS連携ツールを説明する。
Microsoftの製品やサービスを使用する企業は、同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」のSaaS連携ツール「Logic Apps」を使用して、Salesforce(salesforce.com)のSaaS群やGitHub(Microsoftが買収)の同名ソースコード共有サービスなどと連携させることができる。Logic AppsにはMicrosoft製だけでなく、サードパーティー製アプリケーションと連携させるための数百種類のコネクターがある。こうしたコネクターはAzure向けアプリケーションのマーケットプレース「Azure Marketplace」から入手できる。
Logic Appsはイベントをトリガーにして機能する。開発者はスケジュールやポーリング(周期的な問い合わせ)の間隔、SaaSの動作に基づいてトリガーを作成できる。Azureは認証や認可のためにMicrosoftのID管理サービス「Azure Active Directory」(Azure AD)を利用する。そのためAzureのユーザー企業はLogic AppsとAzure ADの組み合わせで、SaaSの認証と認可の仕組みを一元管理できる。
Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)は、SaaSの連携に特化したツールを用意していない。Googleが同様の用途でIT部門に使用を推奨するのは、メッセージキューサービス「Pub/Sub」だ。Pub/SubはSaaSから「メッセージ」(プログラムが他のプログラムに送信するデータ群)を受信して、あらかじめ設定した処理をGCP内外で実行するためのシステムを作成できる。
Pub/Subを使えば、GCPでホストするアプリケーションをSaaSと連携させることは可能だ。ただしPub/SubはSaaSの連携に特化したツールではないことに注意する必要がある。
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