シンクライアントを選ぶときは何を考慮すればよいのか。MicrosoftのDaaS「Windows Virtual Desktop」を利用する場合を例に挙げ、シンクライアント選びのポイントを説明する。
MicrosoftのDaaS(Desktop as a Service)である「Windows Virtual Desktop」(WVD)を利用するためのクライアント端末として、必要最小限のスペックと機能を備えた「シンクライアント」は有力な選択肢となる。シンクライアントを選ぶ際は、どのベンダーのどのモデルが最適かを判断する必要がある。中編「Windows Virtual Desktopが使えるシンクライアントの本命は? 5社の違いを比較」に続く本稿は、WVD向けシンクライアントの選定ポイントを説明する。
企業がシンクライアントを選定するときは、将来的なIT製品やソフトウェアの導入計画が考慮事項となる。WVDを一時的に導入し、その後にCitrix Systemsの「Citrix Virtual Apps and Desktops」やVMwareの「VMware Horizon」などのVDI(仮想デスクトップインフラ)製品を採用する計画を立てている場合は注意する必要がある。WVDが利用できるシンクライアントでも、Citrixの「Citrix HDX」やVMwareの「PCoIP」「Blast Extreme」といった画面転送プロトコルを利用できない場合があるからだ。同様にCitrixやVMwareのVDI製品で稼働する仮想デスクトップにアクセスできても、WVDにはアクセスできないシンクライアントもある。
シンクライアントは、スタンドアロン端末としては機能が限られる。厳密にどのような機能を備えているかは、メモリ容量やディスプレイの解像度、USBポートの数などの仕様とOSに応じて異なる。ノートPCのような見た目でも、インターネットにアクセスできなければ完全なノートPC機能を実現できないシンクライアントもある。
考慮すべき要素はもう一つある。それはシンクライアントがWVDのライセンスに与える影響だ。各シンクライアントのコストやメリットを評価する際には、この点を考慮しなければならない。Microsoftと提携しているベンダーのシンクライアントを利用すれば、WVDライセンス利用料金の割り引きを受けられることがある。同様にMicrosoftのサブスクリプション形式の製品/サービス群「Microsoft 365」の特定プランを契約することでも、WVDの利用コストを抑えることができる可能性がある。
最適なシンクライアントは業務内容によって異なる。例えばシンクライアントのOSが組み込み端末向けの「Windows 10 IoT Enterprise」か「Linux」かという点が決め手になることがある。シンクライアントベンダーが継続的に新しい製品を発売しているかどうかといった要素も、最終的な判断基準の一つだ。そのためシンクライアントを選ぶ際は、各ベンダーが利用する技術や製品開発の方向性を考慮する価値がある。
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