「Microsoft Teams」は2021年も機能強化が続く見込みだ。IT管理者がTeamsの最新版を展開する前に、綿密に評価しておきたい注目機能を紹介する。
Microsoftのユニファイドコミュニケーション(UC)ツール「Microsoft Teams」は頻繁にアップデートされるため、最新版を追って機能を把握していくのは大変だ。2021年にIT担当者とエンドユーザーが注目しそうなTeamsの4大要素とは何か。そのうち「セキュリティ強化および向上」「サービスとしてのデバイス」について説明した前編「『Teams』のセキュリティを高める『情報バリア』機能とは?」に続く本稿は、残る2つの要素を解説する。
ユーザー企業に恩恵をもたらす可能性がある、Teamsの便利な機能の一つにインラインメッセージ翻訳がある。この機能は異なる言語を扱うエンドユーザー同士がコミュニケーションを取るのに役立つ。
オフライン状態で編集、送信したTeamsメッセージをキューに保存する機能も有用な改良だ。これはメッセージを作成したものの、インターネット接続が失われていたか、あるいは中断されたために送信されなかった場合を想定している。24時間以内に接続が回復すると、Teamsはキューに保存されたメッセージを送信する。未送信状態が24時間を超えるとメッセージ送信が失敗したとみなし、エンドユーザーに再送信または削除を求める。
Microsoftは2020年にマルチウィンドウチャットの機能を提供開始し、2021年もこの機能の開発を継続する。マルチウィンドウチャットは、同時に複数のウィンドウで複数の同僚とチャットができる機能だ。
年次カンファレンス「Microsoft Ignite 2020」でMicrosoftが発表した「Productivity Score」(生産性スコア)は、さまざまな指標でエンドユーザーの行動をモニタリングする機能だ。「他の人との会議に費やしている時間」「メールの送受信量」「サブスクリプション形式の製品群『Microsoft 365』やそれに含まれる各製品の各使用時間」といった指標を含む。
生産性スコアについて一部のエンドユーザーは「雇用主が従業員の成果や生産性を正しく反映していない指標で、パフォーマンスを定量評価する恐れがある」と否定的な見解を示し、プライバシーを懸念する声が上がった。一方で「生産性スコアは、われわれの全体的な行動に関する貴重な洞察をもたらし、われわれのパフォーマンスを社内の同僚と比較するのに使えるベンチマーク情報を提供してくれる」と好意的に評価するエンドユーザーもいた。
MicrosoftがTeams機能強化のペースを緩める兆しは見えない。IT管理者はTeamsの最新版を展開する前に注意深く評価し、エンドユーザーの利便性やガバナンス、セキュリティに関する社内ポリシーに適合する構成で運用する必要がある。
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