「クラウドファイル共有」は、異なる場所で作業をする人同士のコラボレーションを支援するためにさまざまな機能を搭載する。代表的なサービスである「Egnyte」「FileCloud」で何かできるのか、詳細に見てみよう。
クラウドサービス形式のファイル共有ツール(以下、クラウドファイル共有)は、安全かつ効率的なファイルのやりとりを可能にする。第1回「AWSとオンプレミス間でファイルを同期できる『AWS Storage Gateway』とは」と第2回「『Box』と『Dropbox』を比較 2大ファイル共有サービスは何が違う?」の2回にわたり、主要なクラウドファイル共有7種のうち3種を紹介した。第3回となる本稿は、残る4種のうち2種を紹介する。
クラウドファイル共有の「Egnyte」は、ファイル共有とコラボレーション、コンプライアンスのサポート、セキュリティ対策などの機能を提供する。他のクラウドファイル共有と同様、VPN(仮想プライベートクラウド)を使わなくても、さまざまなデバイスからファイルに安全にアクセスできる。
Egnyteは、複数のクラウドインフラを組み合わせたマルチクラウドにおけるファイルの統合管理ツールとして利用できる。クラウドファイル共有として特徴的なのは、下記の機能だ。
エンドユーザーに役立つ機能だけでなく、Egnyteは
など、運用管理面で役立つ機能も搭載している。機械学習などのAI(人工知能)技術を使用し、予測分析を運用管理やデータ保護に役立てる機能も提供する。API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を介して、Egnyteの機能やファイルを制御することもできる。
「FileCloud」はファイル共有と同期、バックアップ、ファイルへのリモートアクセスなどを必要とする企業向けのクラウドファイル共有だ。FileCloudには「FileCloud Online」と「FileCloud Server」という2つの利用形態がある。
マネージドサービスのFileCloud Onlineは、FileCloudの提供ベンダーであるCodeLathe Technologiesがサービスをホストする。「Box」や「Dropbox」と同様に容易に利用開始できる。データの保管場所に関する要件がある企業、つまりどこでデータを保管するかが問題になる企業のために、データの保管場所の選択肢を提供している。ユーザー企業は米国やカナダ、EU(欧州連合)、オーストラリア、アジアからデータセンターを選択できる。米国政府との事業を展開する企業に対しては「FileCloud on AWS GovCloud」という専用のサービスも用意している。
FileCloud Serverは、ユーザー企業がオンプレミスのサーバやストレージでサービスをホストする利用形態だ。データをオンプレミスのインフラに保持したい企業に向いている。リモートアクセスやファイル共有・同期などの基本的な機能は、FileCloud Onlineと変わらない。
セキュリティ対策に関して多様な選択肢を用意していることがFileCloudの特徴だ。例えば下記のような対策がある。
FileCloudは他にも下記のような主要な機能がある。
管理者はFileCloudの管理用ダッシュボードで、ファイルの利用頻度や利用場所など、エンドユーザーの利用傾向を把握するための指標を確認できる。他にも運用管理に役立つ機能としては、ポリシーベースの管理やワークフローの自動化、API連携、サードパーティーツールとの連携といった機能がある。
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