さまざまなデータを活用する際に有用な「データ仮想化」ツールには、どのような選択肢があるのか。主要なデータ仮想化ツールのうち「Actifio Sky」「Denodo Platform」を取り上げる。
「データ仮想化」は、さまざまなデータソースのデータを仮想的に集約し、データ統合を実現する技術だ。前編「新たな仮想化『データ仮想化』とは? 主要ツールの機能を整理」は、データ仮想化ツールの機能が自社のニーズに合っているかどうかを検討する際のポイントを紹介した。中編と後編は主要なデータ仮想化ツールを5つ紹介する。
2020年にGoogleが買収した専業ベンダーActifioがソフトウェアとして提供するデータ仮想化ツールがActifio Skyだ。サーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere」「Hyper-V」で扱える仮想マシン(VM)として導入できる。「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」「Alibaba Cloud」「Oracle Cloud Infrastructure」「IBM Cloud」といったクラウドサービスでも利用できる。
Actifio Skyは、適切なアクセス権を持つ人だけがデータにアクセスできるようにすることで、安全性の向上とコンプライアンスを確立しやすくする。最大の強みは、災害復旧(DR)ツールとして使用可能なことだ。Actifio Skyはデータを不変ストレージ(データの変更や削除が不可能なストレージ)に保存するため、必要に応じて過去の特定時点の状態に復元(PITR:Point In Time Recovery)できる。
価格は、導入方法、時間単位か年間契約かといったライセンス形態、クラウドサービスで使用する場合のインフラコストなどによって異なる。
データ仮想化ベンダーDenodo Technologiesの「Denodo Platform」は、オンプレミスシステムだけでなくMicrosoft AzureやAWSなどのクラウドサービスでも動作する。コンテナ管理ツール「Docker」で作成したコンテナでも利用可能だ。インメモリ(データやプログラムをメインメモリに読み込む高速化技術)での並列処理や、構造化データに対するクエリ実行を補助する動的クエリオプティマイザーにより、演算速度を高めた。
Denodo Platformは、「OAuth 2.0」「SAML」(Security Assertion Markup Language)、「OpenAPI」「Open Data Protocol」(OData)バージョン4など、標準的な認証・認可プロトコルを利用できる。価格は実行するシステム構成、ライセンス形態、インフラによって異なる。
後編は、残る3つのデータ仮想化ツールを解説する。
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