「オペレーショナルレジリエンス」には会話が不可欠な“納得の理由”「オペレーショナルレジリエンス」とは何か【後編】

さまざまな危機に“免疫力”を持つには、部門を超えて積極的にコミュニケーションを取ることが重要だ。「オペレーショナルレジリエンス」の本質に迫りつつ、実現への道筋を示す。

2021年09月07日 05時00分 公開
[Paul KirvanTechTarget]

 災害時に限らず、日頃のビジネス活動の回復力を高める「オペレーショナルレジリエンス」。前編「危機に強い『オペレーショナルレジリエンス』企業を実現する8つのチームとは?」に続き後編となる本稿は、オペレーショナルレジリエンスを実現する上での注意点をまとめた。

オペレーショナルレジリエンスの鍵は「会話による連携」

 ビジネスの復旧を目指した取り組みにはさまざまなリスクが伴う。そのため、オペレーショナルレジリエンスには前編で紹介した各チームに加え、「リスク管理チーム」も必要だ。リスク管理チームは各事業部門と連携しながら取り組みの有効性や進捗(しんちょく)具合を分析する。各事業部門が抱えるリスクをきめ細かに把握し、インシデントが起きる前に対処することもリスク管理チームの役割だ。

 オペレーショナルレジリエンスの成否を決めるのは、それぞれのチームと事業部門との連携だ。常に情報を共有しつつ、リスク軽減につながる行動を取るためには、全ての関係者が会話を通じてコミュニケーションを取り合う必要があることを肝に銘じておこう。

 企業の縦割り文化によって部門がサイロ化(孤立)しやすい。それを前提にすると、密にコミュニケーションを取ることは決して簡単ではない。だが、オペレーショナルレジリエンスを高めるためには、「サイロを壊す」ことが必要だ。オペレーショナルレジリエンスは企業全体で取り組んで初めて成立するので、経営層を巻き込むことも欠かせない。

 チーム間での情報共有がいかに大切であるかということを忘れてはならない。関係者全員でさまざまなシナリオを想定し、シミュレーションしてみよう。そうすれば、危機に立ち向かうために必要な技術は何か、復旧計画に弱点や見落としはないかどうかが分かり、万全の対策を講じることができる。

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