競争力を高める「スキルアップ」と「リスキリング」【第2回】
変化に強いリーダーや社員は“あの事実”を理解している
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、企業を取り巻く状況は大きく変化した。変化に適応できる企業となるために必要な従業員教育とはどのようなものか。
第1回「『スキルアップ』『リスキリング』の違いは? スキルギャップを埋める人材開発手法」は、スキルギャップを埋めるために有効な施策として従業員のスキルを高める「スキルアップ」と、従業員に新たな「スキルセット」を身に着けてもらう「リスキリング」について説明した。第2回は、人材市場の変化に適応するための従業員教育について解説する。
人材市場の変化に適応するための従業員教育とは
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)がもたらした危機的状況により、企業のリーダーと従業員には前例のない機敏さが必要となった。何らかの方法で各自が現在の職務を構築し直すことを余儀なくされた。
COVID-19の流行が収束傾向に転じたとしても、この機敏さが無駄になることはない。COVID-19対策として進んだIT活用は、今後企業のリーダーが新たな競争方法を模索する中で加速する可能性がある。IT活用を進めるときに重要なことは、従業員の未知なる可能性に期待することだ。
プロジェクトマネジメントの専門家団体Project Management Instituteで最高執行責任者(COO)を務めるマイケル・デプリスコ氏は、COVID-19に対処するために企業や個人は既に機敏な考え方を導入し、柔軟な働き方を実践していると話す。
変化に負けないためにリーダーや社員が知るべき“あの事実”
事業部門や人事部門のリーダー、採用担当者、従業員は、自身の職務が絶えず進化していくことを理解する必要がある。変化は例外ではなく、必然だ。企業は、従業員が必須スキルを育成するための個別学習と継続学習の機会を提供し、従業員の能力開発を支援する必要がある。
「起こり得る全ての変化に適応できるスキルは誰一人持っていない」と話すのは、金融機関Southern Bankの子会社で、商業顧客向けの融資サービスを提供する金融機関altLINEのシニアバイスプレジデント、ジム・ペンダーガスト氏だ。潜在的なスキルギャップを埋めるには、従業員に対して一貫して教育とリスキリングを実施するしかない、とペンダーガスト氏は説明する。
人材市場の変化に対処するためには、事業部門と人事部門のリーダーは教育を成り行き任せにしてはいけない。従業員のスキルセットの見直しを企業の制度に正式に取り入れるとよい。
「企業は、自社が一体どのような組織なのか、業務は何か、顧客は誰か、どのような競争が起こるかといったことを再考しなければならなくなっている」。経営大学院MIT Sloan School of Managementで経営者教育担当の上級副学部長を務めるピーター・ハースト氏はこう語る。
このような方向転換と改革には、大規模なスキルアップ、リスキリング、キャリア変革が必須だとハースト氏は話す。同氏によると、この3つの要素は、パンデミックのずっと前から問題になっていた。加速するスキルギャップの解消に欠かせないものだと同氏は指摘する。
第3回は、スキルアップとリスキリングを人材開発(L&D)部門の担当者がどう捉えているかを解説する。
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