5Gと4Gが実現する“つながるロンドン地下鉄”【前編】
「圏外」だったロンドン地下鉄が“5Gも4Gもつながる地下鉄”へ その方法とは?
チューブ(Tube)として知られるロンドン地下鉄は、全ての駅構内と走行中の車両内で快適にインターネット接続できるようにする大型プロジェクトを始めた。“つながらない”問題を解決するために何をしたのか。
「4G」(第4世代移動通信システム)と「5G」(第5世代移動通信システム)を使った通信インフラ構築を手掛けるBAI Communications。ロンドン市長のサディク・アマーン・カーン氏は、このBAI Communicationsと契約を締結し、ロンドン地下鉄の全ての駅構内と走行中の車両内で利用客がインターネット接続できるようにすると確約した。
ロンドン交通局(TfL:Transport for London)が運営するロンドン地下鉄は世界有数の規模の地下鉄網を持つ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)前は1日当たり、約500万人が利用していた。だがロンドン地下鉄は通信インフラが十分に整っておらず、インターネットにつながらない「ノットスポット」(圏外の場所)として知られてきた。
ロンドン地下鉄は「圏外」から“つながる地下鉄”へ
BAI Communicationsは今後、2000キロ以上のケーブルを駅構内やトンネル内に敷設し、インターネットにアクセスできるようにする。これによりTfLは利用客の利便性向上とともに、通信インフラを利用した駅員間のコミュニケーション改善につなげる狙いがある。敷設工事は全て地下鉄の運行時間外に実施するという。
ロンドン地下鉄全域に先駆け、ロンドン東部とロンドン北西部を結ぶジュビリー線(Jubilee Line)は一部において、4Gを使ったモバイル通信エリアを設けた。今後、BAI Communicationsはロンドン地下鉄全域にまたがるネットワークのバックボーンを構築。各駅の改札口やホーム、トンネル内で段階的にインターネット接続を可能にし、2024年末の完成を目指す。ロンドン地下鉄の利用客は快適にインターネットにアクセスし、移動中にさまざまなデジタルコンテンツを楽しめるようになる。
BAI Communicationsはロンドン地下鉄の通信インフラを構築するために、ファイバーチャネル(光ファイバーを使った高速接続規格)のケーブルを利用する。将来はロンドン各地の建物やバス停、街灯などもネットワークにつなぎ、5Gも活用しながら、町全体で高速のインターネット接続を実現する構想がある。
TfLとBAI Communicationsは、ケーブルの敷設工事に着手した。余裕を持った工事のスケジュールで、できる限り運休を減らし、地下鉄運営への影響を最小限に抑える。最初の段階では2022年末までに、オックスフォードサーカス(Oxford Circus)駅やトッテナム・コート・ロード(Tottenham Court Road)駅、カムデンタウン駅(Camden Town)といった主要駅に絞ってインターネット接続を可能にする計画だ。
後編は、ロンドン地下鉄の“つながる地下鉄”化の延長線上にある狙いに迫る。
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