人気オンラインゲームをホスティングするGPORTALは、Intelの永続メモリモジュール「Optane」を使い始めた。DRAMとほとんど変わらない使用感で、コスト削減とメモリの拡張を実現している。なぜOptaneを採用したのか。
オンラインゲーム向けのレンタルサーバを提供するGPORTALは、Intelの永続メモリモジュール「Optane」を採用した。同社のCEO、ロベルト・オメツォーリ氏はOptaneの採用を「迷わず決断した」と振り返る。
GPORTALは「Minecraft」「Ark:Survival Evolved」「Conan Exiles」をはじめとしたオンラインゲーム用のサーバを貸し出しており、約6800台のサーバを所有する。サーバは米国、カナダ、ブラジル、ドイツ、英国、ロシア、日本、台湾、オーストラリアなど世界各地にある。
人気のあるオンラインゲームのデータ処理を高速化するため、同社はメインメモリを増設する必要に迫られた。オメツォーリ氏によれば、それに当たり2つの問題があった。DRAM(Dynamic Random Access Memory)はコストが高くなることと、容量に限界があるということだ。
OptaneはIntelとMicron Technologyが共同開発したメモリ技術「3D XPoint」を使用しており、DRAMと同程度のコストで容量を大幅に引き上げることが可能だ。オメツォーリ氏は「Optaneは興味深い代替手段だった」と言う。GPORTALは2019年11月にOptaneを試験的に導入し、2019年12月末には本番運用に入った。
オメツォーリ氏によると、512GBのDRAMと1TBのOptaneはほぼ同じ価格だという。メリットは価格だけではなかった。Optaneを搭載したサーバは、1台で450人のプレイヤーをホストできるようになった。以前のDRAMベースの構成では160人のプレイヤーしかホストできなかったという。
「CPUがボトルネックになったことはない。ボトルネックになってきたのは常にメモリだ」と、オメツォーリ氏は話す。メインメモリの容量を増やせば以前と同じサーバでより多くのプレイヤーをホストできるようになり、当然コスト効率を高めることもできる。
GPORTALにとって価格と同じくらい重要なのが、プレイヤーの操作性に影響するデータの読み書き速度だ。この処理速度についてIntelからは「OptaneはDRAMを約10%下回る」という説明を受けたが、オメツォーリ氏は認識できるほどの差は出ていないと評価する。「プレイヤーからの苦情は全くないので、OptaneとDRAMの速度を比較するテストを実施する必要はない」と同氏は述べる。
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