ネットワーク内の小さなネットワークである「サブネット」を管理者が作るメリットは何か。混同されやすい「サブネットマスク」との違いと併せて説明する。
ネットワークをより小さく、管理しやすいセクションに細分化することで、ネットワーク管理者はさまざまなメリットを期待できる。ネットワーク内で分割したセグメントは、「サブネットワーク」または「サブネット」と呼ばれる。
サブネットとサブネットマスク(IPアドレスのうち、ネットワークアドレスとホストアドレスを識別する数値)という用語は混同しやすい。それぞれの特徴を詳しく見ていこう。
サブネットは分離されたネットワークセグメントで、管理者が分割するネットワークの一部だ。ネットワーク管理者は通常、次のような理由でサブネットを作成する。
セキュリティ目的で作成されたサブネットは、特定の種類のトラフィック(ネットワークを流れるデータ)が、傍受されやすいネットワークの他の部分を通過するのを防ぐ。例えば、ネットワーク管理者は、財務部門の全てのコンピュータを単一のサブネットに分離し、財務部門の通信内容がネットワーク全体を移動するのを防ぐことができる。
パフォーマンス目的のサブネットは、混雑したネットワークにおいて、ネットワークアクセスの競合を減少させる。例えば、組織のエンジニアリング部門が、定期的にファイルを送信して他のユーザーのネットワークパフォーマンスに影響を与える場合があるとする。ネットワーク管理者はエンジニアリング部門を独自のサブネットに分離することで、エンジニアリング部門によるファイル送信が他のユーザーに与える影響を軽減できる。
ネットワーク管理者は、セキュリティとパフォーマンスの両方の理由から、複数のサブネットを定義することが一般的だ。
一方、サブネットマスクの役割は異なる。ネットワークデバイスは、ホストのIPアドレスのどの部分がネットワーク部(ネットワークを識別するための要素)で、どの部分がホスト部(ネットワーク内のどのクライアントなのかを識別するための要素)なのかを決定するためにサブネットマスクを使用する。
サブネットマスクは常にIPアドレスと一緒に使用される。基本的に、サブネットはネットワークのエリアであり、サブネットマスクはデバイスが属するネットワークエリアを決定するのに役立つ。サブネットマスクをIPアドレスと組み合わせることで、サブネット化する。
次回はIPアドレスを割り当てる仕組みDHCPについて解説する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
分散環境におけるアプリケーションのパフォーマンスを高めることは多くの企業で課題となっているが、従来のSD-WANによるアプリケーションの識別/回線振り分けは、運用負荷の高さが課題だった。これを解決する、次世代のアプローチとは?
多店舗/多拠点企業のネットワーク担当者216人を対象とした調査により、「SaaSへのアクセスなどネットワーク利用に不便なことや制限が多い」などの課題が浮き彫りになった。これらの課題を解消し、再構築を成功に導く方法を探る。
複数の店舗や拠点を擁する企業にとって、電子決済の通信エラー、本部と拠点の間でのWeb会議品質の低下といったネットワーク課題は、事業運営に深刻な問題をもたらしかねない。よくある8つの問題と、その解決策を探る。
代表的なセキュリティツールとして活用されてきたファイアウォールとVPNだが、今では、サイバー攻撃の被害を拡大させる要因となってしまった。その4つの理由を解説するとともに、現状のセキュリティ課題を一掃する方法を解説する。
顧客や従業員のエクスペリエンスを向上させるとともに、インベーションを促進するには「アジリティ」の強化が鍵となる。しかし昨今、組織のネットワークは複雑化が著しく、アジリティの確保すら難しい。そこで求められるのが「簡素化」だ。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。