オフィス出勤再開とともに取り組みたい「HCI」のチェック。セキュリティを含めたソフトウェア更新から細かいパーツの動作確認まで、チェック対象はさまざまだ。IT管理者のやるべきことをまとめた。
企業がオフィス出勤を再開しつつある中、IT管理者にとって重要なのが、しばらく使用していなかったインフラのチェックだ。従業員がオフィスに戻った際、「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI:仮想化ソフトウェアと複数のハードウェアを組み合わせたインフラ)が問題なく稼働するためには、どうすればよいのか。IT管理者のためのチェックリスト7項目のうち2つを紹介した前編「コロナ禍で止めていた『HCI』を再び安全に動かす方法とは?」に続き、後編となる本稿は残りの5つを紹介する。
HCIのチェックの一環として、ストレージの使用状況の確認が重要だ。これにより、ストレージの空き容量が不足しトラブルが発生することを回避できる。HCI全体の空き容量に加え、アプリケーションやデータ、仮想マシン(VM)のそれぞれ専用の空き容量も確認しよう。
ストレージの使用状況が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)前に策定した予測値に合致しているかどうかの確認も大切だ。テレワーク中のHCIの使い方によって、ストレージの使用状況は当初の予測値を大幅に上回ったり、下回ったりする可能性がある。
セキュリティを確保するために、HCIにパッチが適用されているかどうかを確認しなければならない。他にも、最新のドライバがインストールされているかどうかの確認が必要だ。HCIのファームウェアのアップデート情報が出た場合、更新をしなければならない。
HCIで利用する各種ソフトウェアが最新バージョンになっているかどうかを確認する必要がある。チェックの際は、システム運用監視のソフトウェアの他、マルウェア対策をはじめとしたセキュリティ系ソフトウェア、バックアップソフトウェアなどが対象になる。抜け漏れがないよう、注意しよう。
チェックを機に、セキュリティ評価も実施しよう。イベントログ解析に加え、アカウント作成や特権アカウントのログイン試行、未承認のシステム構成変更の確認が必要だ。
最後に、HCIのストレステストが重要だ。HCIを長期間にわたり使用していなかった場合、高負荷を掛けるストレステストによってハードウェアが正常に動作するかどうかを確認できる。HCIが停止していたことにより、主要コンポーネントに不具合が生じることはまれだ。ただしファンが正常に動作せず、サーバが過熱するといった問題が発生する可能性はゼロではない。ストレステスト用のツールは無料で利用できるものもある。
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