ファン不具合でサーバ加熱も 止めていた「HCI」の再稼働時に注意すべきこと出社再開のための「HCI」(ハイパーコンバージドインフラ)チェックリスト【後編】

オフィス出勤再開とともに取り組みたい「HCI」のチェック。セキュリティを含めたソフトウェア更新から細かいパーツの動作確認まで、チェック対象はさまざまだ。IT管理者のやるべきことをまとめた。

2022年03月10日 05時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]

 企業がオフィス出勤を再開しつつある中、IT管理者にとって重要なのが、しばらく使用していなかったインフラのチェックだ。従業員がオフィスに戻った際、「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI:仮想化ソフトウェアと複数のハードウェアを組み合わせたインフラ)が問題なく稼働するためには、どうすればよいのか。IT管理者のためのチェックリスト7項目のうち2つを紹介した前編「コロナ禍で止めていた『HCI』を再び安全に動かす方法とは?」に続き、後編となる本稿は残りの5つを紹介する。

3.ストレージ使用状況の確認 トラブルを防ぐポイント

 HCIのチェックの一環として、ストレージの使用状況の確認が重要だ。これにより、ストレージの空き容量が不足しトラブルが発生することを回避できる。HCI全体の空き容量に加え、アプリケーションやデータ、仮想マシン(VM)のそれぞれ専用の空き容量も確認しよう。

 ストレージの使用状況が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)前に策定した予測値に合致しているかどうかの確認も大切だ。テレワーク中のHCIの使い方によって、ストレージの使用状況は当初の予測値を大幅に上回ったり、下回ったりする可能性がある。

4.パッチ管理

 セキュリティを確保するために、HCIにパッチが適用されているかどうかを確認しなければならない。他にも、最新のドライバがインストールされているかどうかの確認が必要だ。HCIのファームウェアのアップデート情報が出た場合、更新をしなければならない。

5.ソフトウェア更新

 HCIで利用する各種ソフトウェアが最新バージョンになっているかどうかを確認する必要がある。チェックの際は、システム運用監視のソフトウェアの他、マルウェア対策をはじめとしたセキュリティ系ソフトウェア、バックアップソフトウェアなどが対象になる。抜け漏れがないよう、注意しよう。

6.セキュリティ評価

 チェックを機に、セキュリティ評価も実施しよう。イベントログ解析に加え、アカウント作成や特権アカウントのログイン試行、未承認のシステム構成変更の確認が必要だ。

7.ストレステスト実施

 最後に、HCIのストレステストが重要だ。HCIを長期間にわたり使用していなかった場合、高負荷を掛けるストレステストによってハードウェアが正常に動作するかどうかを確認できる。HCIが停止していたことにより、主要コンポーネントに不具合が生じることはまれだ。ただしファンが正常に動作せず、サーバが過熱するといった問題が発生する可能性はゼロではない。ストレステスト用のツールは無料で利用できるものもある。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news012.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2024年10月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news167.jpg

堀江貴文氏のラジオ局と業務提携 売れるネット広告社がマス媒体に進出
売れるネット広告社は、実業家の堀江貴文氏が代表取締役会長を務める福岡県のラジオ局CRO...

news043.png

AppleとMetaの戦い――AR・ウェアラブル領域で、勝つのはどっち?
Metaは年次イベント「Meta Connect 2024」において最新のARグラス「Orion」のプロトタイ...