Forresterは、仕事の自動化によって2040年までにヨーロッパで4900万の雇用が失われると予想する。深刻な事態に見えるが、労働市場への影響は軽微だという。予想される未来は明るいと言えるのか?
2040年までに約1200万の仕事が自動化されるだろう。Forrester Researchは、自動化によってヨーロッパでは4900万の雇用を失う可能性があると予想する。
フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国の状況を分析したForresterの「Job Forecast 2020-2040」は、最も自動化が進むと予想される業界として小売り、食品サービス、レジャー、ホスピタリティーを挙げている。最も自動化されるのは中程度のスキルを要する仕事で、こうした仕事はドイツでは38%、フランスでは34%、英国では31%を占める。
コロナ禍で企業には自動化へのプレッシャーがかかった。Forresterのマイケル・オグラディ氏は言う。「コロナ禍によって生産性が失われ、全世界の企業が手作業のプロセスを自動化し、テレワークを改善する必要に迫られた」
単純な定型業務で成り立つ仕事は自動化によって失われる一方、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど、工業、建設、農業が経済の大部分を占める国は産業の自動化に投資し、生産性を高めている。これらの国は自動化業界によって雇用が生み出されている。
労働年齢人口の減少と定型業務の多さにより、ヨーロッパには自動化を受け入れやすい土壌があるとオグラディ氏は補足する。
2040年のヨーロッパ五大経済圏の労働年齢人口は、2020年比で3000万人減少するとForresterは予測している。つまり人口の減少によって雇用喪失が緩和される。
「結果として、ヨーロッパの企業は炭素排出量の少ない仕事に投資し、従業員のスキルを高めることになるだろう。ロボットでは得られないソフトスキルが労働者によって補完され、自動化されたタスクがより望ましいものになる」
自動化ソフトウェアサプライヤーTrustportalのCEOクリス・ランバートン氏は、自動化が人間に取って代わるとは思っていない。
「自動化は人間を強化するものであり、人間に取って代わるものではない。自動化によって人間の生産性が向上し、人間が得意とする共感、知識、理解を用いる仕事に専念できるようになる」と同氏は話す。
「仕事が奪われるという見方が多いが、それには懐疑的だ。RPA業界で10年間働いてきたが、自動化によって人員を削減した企業はあまりない。人間の役割を変えているだけだ」
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