クラウドサービスの設定ミスをなくすには、細かい設定に目を配り続けなければならない。ベンダー各社は、クラウドサービスの適切な設定を支援するツールを提供している。
企業がクラウドサービスで稼働させるワークロード(アプリケーション)に設定ミスがあると、情報漏えいやサイバー攻撃の原因になりかねない。前編「『クラウドIAMの設定ミス』の危険性と、設定ミスを防ぐ3つの方法」と中編「機密データを全世界に公開しないための『クラウドストレージ』『クラウドネットワーク』設定ミスの防ぎ方」に続く本稿は、企業がワークロードの設定ミスを防ぐための方法と、クラウドサービスの設定ミスを防ぐために役立つツールを紹介する。
設定ミスのあるワークロードは、企業を脅かす。例えばプライベートネットワークだけで稼働させるべきワークロードを、IT管理者やエンドユーザーが手違いでインターネットに接続させてしまうことがある。企業によっては、どのワークロードをインターネットで公開しているのかをIT管理者が把握してない場合すらある。このような形でワークロードを公開すると、サイバー攻撃者がそのワークロードの脆弱(ぜいじゃく)性を診断し、侵入の手掛かりを見つけやすくなる。攻撃者にワークロードを乗っ取られたり、不正に改ざんされたりしかねない。
ワークロードの設定ミスを防ぐために、企業のセキュリティチームは定期的に以下を実行する必要がある。
主要IaaS(Infrastructure as a Service)ベンダーはユーザー企業のデータセキュリティ対策を支援するために、ログ記録や挙動監視など、さまざまなセキュリティサービスを提供している。ワークロードやクラウドサービスのIDを検査し、セキュリティ設定の不備や不正なアクティビティーを検知するツールを利用すれば、クラウドサービスの設定ミスで起きる被害を防ぐことができる。例えばAmazon Web Services(AWS)の脅威検出サービス「Amazon GuardDuty」を使えば、AWS内のワークロードやIDの監視を短時間で開始できる。
IaaSベンダーやサードパーティーのベンダーが提供するセキュリティツールを利用すれば、クラウドサービスの設定ミスを把握できる可能性が高まる。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
TikTokが米国で20時間のサービス停止を経て復活 “英雄”トランプ氏が描く今後のシナリオと他国への影響は?
TikTokは米国で約20時間のサービス停止を経て、再び利用可能になった。
CMOが生き残るための鍵は「生産性」――2025年のマーケティング予測10選【中編】
不確実性が高まる中でもマーケターは生産性を高め、成果を出す必要がある。「Marketing D...
世界のモバイルアプリ市場はこう変わる 2025年における5つの予測
生成AIをはじめとする技術革新やプライバシー保護の潮流はモバイルアプリ市場に大きな変...