インターネットの普及は、デジタルチャネルを活性化させるだけでなく、さまざまなチャネルにおいて消費者の購買行動を変え始めている。自動車大手General Motorsが直面している変化とは。
2020年、消費者はその安心感ゆえに、食料品から自動車に至るまであらゆるものに対してEコマースをはじめとする非接触ショッピングを試した。消費者にとって、こうした非接触ショッピングの利便性は“病みつき”になったと考えられる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンが広く利用できるようになっても、状況は変わっていない。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株がまん延し、人々が再びCOVID-19について気をもむようになったからだ。
自動車でも、食料品でも、ファストフードでも、百貨店の商品でも、さまざまな理由から依然として非接触ショッピングを最優先としている消費者が一定数いる――。2022年1月開催の最新技術見本市「CES 2022」で、Eコマースのトレンドに関する公開討論会に参加したパネリストはこう口をそろえた。
とはいえCOVID-19のパンデミック(世界的大流行)以前のショッピング方法に戻したいと考えている消費者もいる。公開討論会のパネリストの一社である自動車大手General Motors(GM:ゼネラルモーターズ)の最高デジタル責任者、エドワード・クンマー氏は「成功したいと考える企業は、あらゆるチャネル(消費者への到達経路)における課題に対処しなければならなくなる」と語る。
顧客は興味のある自動車についてインターネットで調べ、今までよりも知識を持って自動車販売店を訪れるようになった。一部の顧客は、購入を即決してすぐに満足感を得たいと考え、新車を運転して帰りたいとさえ考えている。
こうした中、自動車メーカーは、あらかじめ必要な書類をデジタル化して用意しておくことで、カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)を向上させることができる。「消費者は自分が望む通りに購入したり、やりとりしたりすることを選択しようとしている。当社はそうした現象を目の当たりにしている」とクンマー氏は語る。
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