DaaSで一般ユーザーが「macOS」を使うことは難しい。その背景には、Appleの厳格なライセンス規約があるという。どういうことなのか。
エンドユーザー自身が業務用端末の種類を選べる場合、Appleのクライアント端末「Mac」は人気の選択肢となる。仮想デスクトップのクラウドサービス「DaaS」(Desktop as a Service)の認知度や機能性の向上に伴い、仮想デスクトップのゲストOSとして、MacのOSである「macOS」を利用することに関心を持つ企業もある。
Appleのライセンス規約が、この可能性に課題を突き付けている。
macOSには、ハードウェアとソフトウェアに関する厳格なライセンス規約がある。macOSは、Appleが指定した同社製のハードウェアで実行しなければならない。加えて他のベンダーが提供するサービスを通してmacOSを使用することはできない。これはホスティングや時間貸し、端末共有などの業態でApple製ソフトウェアを提供することを禁止する、同社のライセンス規約に基づく。
サードパーティーがDaaSで、macOSの仮想デスクトップを提供することはできない。ユーザー企業がオンプレミスのVDI(仮想デスクトップインフラ)に、macOSの仮想デスクトップを導入することは技術的には可能だ。ただし、これはライセンス規約のグレーゾーンに該当する可能性があり、コストもかさむ。
制限はあるものの、AppleはmacOSへのリモートアクセスを認めている。エンドユーザーが複数の端末から1台のMacに接続することはできるが、Appleソフトウェアを操作できるのは1つのリモートセッション(仮想デスクトップとクライアント端末間の通信単位)のみで、それ以外のリモートセッションは閲覧しかできない。このライセンス規約のために、macOSのリモートアクセス機能は著しく制限されている。
第3回は、macOSのライセンス規約に関する変化を説明する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
VMwareからの移行で新たな価値を得るための“最適な移行先”を探る (2024/11/5)
VMware対策に追われるSIer 課題は「移行先の選定」だけではなかった (2024/7/31)
VDI第三の選択肢は「高い、設計が難しい、コストがかさむ」を解消できるか (2024/3/28)
“VMwareの急変”に苦悩するIT部門をNutanixとOpenShiftが救う理由 (2024/3/21)
オンプレミスを撤廃したい企業に立ちはだかる「移行の壁」、その越え方とは (2024/3/15)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...