気候変動によるとみられる熱波により、大手クラウドベンダーが英国で運用するデータセンターが停止に追い込まれた。気候変動は今後、データセンターにどのような影響を及ぼすのか。
2022年7月19日(現地時間)に、英国は観測史上初めて40度以上の気温を記録した。高温が原因となり、クラウドベンダーのGoogleとOracleは、英国で保有する自社データセンターの停止を余儀なくされた。
英国を襲った熱波の発生は、気候変動の影響だとみられる。データセンターの耐久性を調査するシンクタンクのUptime Instituteは、データセンターの運営企業に対し、気候変動の影響について警鐘を鳴らしてきた。2018年に同社が発表した調査レポートは、気候変動によるリスクの増大を災害復旧計画に盛り込んでいる事業者がほとんど存在しないことを指摘している。
GoogleとOracleのデータセンターインフラが熱波の影響を受けたことは、大手ITベンダーが気候変動と無縁ではないことを裏付けた――。コロケーション事業者ServerChoiceのコマーシャルディレクター、アダム・ブラッドショー氏はこう指摘する。
人間だけではなく、冷却システムを使ってサーバを稼働させているデータセンターもまた、気候変動の影響を受ける。「さまざまな変化に耐える設計になっているはずのデータセンターが、記録的な高温によって限界に追い込まれた」(ブラッドショー氏)
エネルギー価格が高騰しつつある。猛暑を受けて、冷却設備のコスト増大に耐えられないデータセンター運営企業が出てくる可能性もある。
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