無線LAN規格「Wi-Fi 7」は“あの機能”で「Wi-Fi 6E」とは別物に?間もなくWi-Fi 7の時代【中編】

Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eの後継となる「Wi-Fi 7」の詳細が見えてきた。どの機能がどれだけ進化するのか、目玉となる新機能はどのような役割を持つのかなど、Wi-Fi 7の特徴を見る。

2022年10月17日 05時00分 公開
[Lee BadmanTechTarget]

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 「Wi-Fi 7」(IEEE 802.11be)はデータ伝送速度を向上させるために、無線LANの一連の基本機能を強化する他、無線LANの歴史上で初となる機能も搭載する。それらの機能の詳細や、Wi-Fi 7に期待できるデータ伝送速度などを紹介する。

次世代規格「Wi-Fi 7」の進化するポイントと実力

 「Wi-Fi 6E」(IEEE 802.11ax)と同様に、Wi-Fi 7は「トライバンド」の無線LANになる。トライバンドとは、2.4GHzと5GHzの周波数帯に加えて、6GHzを利用できる特徴を指す。

 データ伝送速度に影響する主要機能で比較すると、Wi-Fi 7の進化は次の通り。

  • 4096QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)
    • Wi-Fi 6Eの変調方式は1024QAMだったため、データ伝送の効率が向上する(より多くのデータを一度に伝送可能になる)。
  • 最大16個の空間ストリーム(通信経路)
    • Wi-Fi 6の空間ストリームは最大8個だったため、理論上のデータ伝送速度が倍増する。
  • 320MHzのチャネル幅(データ送受信に使う帯域幅)
    • Wi-Fi 6Eのチャネル幅は最大160MHzだったため、使用可能な帯域幅が倍増する。

無線LANで初の進化と制約

 Wi-Fi 7は、無線LAN規格としては初めて「マルチリンクオペレーション」(MLO)を搭載する。MLOは、無線LANアクセスポイントとクライアント端末が異なる複数の周波数帯を同時に使って通信する機能。例えば6GHz帯と5GHz帯を同時に利用できる。MLOの搭載は、無線LANの標準規格群「IEEE 802.11」の歴史における大きな進化だと言える。

 一方で、Wi-Fi 7の仕様上の可能性を十分に引き出せるどうかは別の問題として残る。Wi-Fi 7が「16x16」(送信機と受信機を16個ずつ使用)のMIMO(Multiple Input Multiple Output:複数の送受信機を同時に使う技術)を実現可能だとしても、クライアント端末は、当面はせいぜい「2x2」(送信機と受信機を2個ずつ使用)の構成にとどまる。

 最大限にWi-Fi 7の性能を引き出そうとすれば、16個の空間ストリームと320MHzのチャネル幅を使うことが前提になる。ほとんどのクライアント端末は、その条件で通信することはできない。それでも、進化した一連の機能によってWi-Fi 7のデータ伝送速度はWi-Fi 6Eを上回ると考えられる。スマートフォンで通信する場合は、5Gbpsを超える可能性がある。

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