オンプレミス型プライベートクラウド「オンプレミスクラウド」を構築する方法として、コロケーションを使う方法がある。自社のデータセンターではなく、コロケーションを選ぶ意味とは何か。
MSP(マネージドサービスプロバイダー)の1901 Groupで最高成長責任者を務めるポール・ウィルキンソン氏によると「オンプレミスクラウド」は、一般的にユーザー企業1社のワークロード(アプリケーション)を稼働させるのに適している。オンプレミスクラウド、つまり「オンプレミス型プライベートクラウド」は、オンプレミスインフラをプライベートクラウド(リソース専有型クラウド)化したインフラだ。
オンプレミスクラウドの構築方法としてウィルキンソン氏は、ユーザー企業が所有するデータセンターを利用する方法と、データセンターの場所貸しサービスである「コロケーション」を利用する方法を挙げる。
ウィルキンソン氏によると、コロケーションは帯域幅(回線容量)の確保や災害復旧のための物理インフラが必要な場合に、ユーザー企業のオンプレミスインフラを拡張する用途で利用できる。ユーザー企業はシステムをコロケーションに移行させた後、オンプレミスクラウドを構築する。オンプレミスクラウドとクラウドサービスを接続することも可能だ。
「オンプレミスクラウドを構築して運用するのがユーザー企業か、コロケーション事業者かによって、インフラの管理方法は大きく異なる」。システムインテグレーターのWorld Wide Technology(WWT)でプライベートおよびハイブリッドクラウドソリューション担当のディレクターを務めるクリス・ワイス氏は、こう語る。
ユーザー企業によって、インフラに関するニーズはさまざまだ。コロケーションでオンプレミスクラウドを構築するユーザー企業の中には「インフラの運用管理を自社で担いたいと考える企業もあれば、インフラの構築や管理を全面的にコロケーション事業者に委託する企業もある」とウィルキンソン氏は説明する。
「ユーザー企業は、オンプレミスクラウドの利用に専念するために、インフラ構築と運用のためのマネージドサービスを求めている」とワイス氏は見解を語る。こうしたマネージドサービスを使うと、ユーザー企業はクラウドサービスと同様の感覚で、オンプレミスクラウドを利用できるようになる。
次回は、オンプレミスインフラを活用したクラウドサービスを拡充させるベンダー各社の動向を説明する。
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