膨大な量のデータを処理するゲノム解析には、どのようなストレージが必要なのか。フランスの医療協力連合SeqOIAが新たに導入したストレージシステムとは。
フランスの医療協力連合(GCS:Groupement de Cooperation Sanitaire)であるSeqOIA(Sequencing Omics, Information Analysis)は、フランスにおけるゲノム解析を推進する役割を担う。SeqOIAが進めるゲノム解析では、特殊な要件を満たすインフラが必要だった。どのようなストレージシステムを導入したのか。
SeqOIAの情報システム担当ディレクターを務めるアルバン・レルミン氏は、「ゲノム解析で患者の遺伝的事象を特定することは、病態の理解促進や治療法の解明に役立つ」と話す。例えば、がんや希少疾患の遺伝的な説明が可能となる他、医師が最適な治療法を決定したり、遺伝性疾患の可能性について家族へ助言したりする場合に役立つ。
フランス政府は国内のゲノム解析を推し進める計画「PLAN FRANCE M EDECINE G ENOMIQUE 2025」(PFMG 2025)を2016年に立ち上げた。この計画で必要になったのが、高いスループット(データ伝送速度)でゲノムシーケンス(ゲノム解析手法の一つ)を実現するためのインフラ構築だった。これを実現するための技術的な障壁を取り除くため、2018年にSeqOIAの取り組みが始動した。
SeqOIAは2022年3月、ゲノム解析を支えるストレージとして、ストレージベンダーVAST Dataのストレージシステム「Universal Storage」を導入した。同製品は、1つのメモリセルに4bitを格納する記録方式「クアッドレベルセル」(QLC)のNAND型フラッシュメモリを搭載する。SeqOIAは同製品を導入したことで、ゲノム解析に必要なIOPS(1秒間に処理する入出力数)の要求を満たすことができた。これはHDDを用いたストレージクラスタでは実現できなかったことだという。
第2回は、SeqOIAが従来のストレージシステムで抱えていた課題を紹介する。
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