これまでのところ、世界のデータが増え続けてもストレージベンダーはストレージの供給を続けることができると考えている。それは本当に正しい見方なのだろうか。
企業はデータ量の増加に応じてストレージを拡張すればいいと考えていて、ストレージベンダーは企業に十分なだけのストレージを今後も供給できると考えている。だがさまざまなリスクが迫っていて、想定通りには進まない可能性がある。
ストレージベンダーが将来のストレージ需要に応じることができるのかどうかについて、議論の余地がある。超大容量のストレージを実現し得る有望な技術は幾つかあるものの、その実用化はまだまだ先になる見込みだ。
それでも、ストレージの業界関係者のほとんどは将来に対する自信を失っていない。既存のストレージ技術の改善によって、将来の需要を満たすのに十分なだけのストレージを、生産し続けることができると考えているのだ。
この問題はそう単純ではなく、前途多難だ。サプライチェーンは、エネルギーコストの上昇や輸送経路の閉鎖、材料や労働力の不足といった影響によって、すぐに混乱に陥る。想定外の事態はいつでも起きる可能性がある。
ストレージやその関連機器を生産するために必要な天然資源を確保できなくなったり、調達はできても非常に値上がりしたりすれば、市場は混乱に陥る。そして通常通りのストレージ供給は、かなわなくなる。
大量のデータを生成する新しい用途が出現して普及すれば、データ増大の将来予測に狂いが生じる。それは世界的なストレージ不足に直結しかねない。既存のストレージを拡張するだけではその用途の要件を満たせないのであれば、新しいストレージ技術が必要になる。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によってテレワークが普及し、データ利用が勢いづいた。それと同じように、今後また新たなパンデミックが発生して、データ増大を助長する可能性も現実的な脅威として考えなければならない。
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