テレワークは今後も“当たり前の働き方”になるかどうかは定かではない。専門家の間には「不況でテレワークを終わらせる動きが加速する」との見方がある一方で、“別の可能性”を指摘する声もある。
TeslaとTwitterで最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏をはじめ、テレワークに批判的なCEOがいる。2022年、マスク氏はTeslaの大部分でテレワークを終了し、Twitterでも同じことを試みている。景気が悪化すれば、他のビジネスリーダーもマスク氏に倣うことになるのか。人事分野で台頭し得る4つのトレンドのうち、3つ目を紹介する。
テレワークに関する調査とコンサルティングを提供するGlobal Workplace Analyticsで代表取締役を努めるケイト・リスター氏によると、景気後退後に何が起きるかについては2つの考え方がある。1つ目は、従業員は「誰かに見張ってもらう」ために自発的にオフィス勤務に戻る可能性があり、「管理職はテレワークの条件を厳しくする機会を握る」という考え方だ。
企業は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が収束した後もテレワークを継続するのか。「人材不足でなければ、企業は大変消極的になる」とリスター氏は考えている。
2つ目は、景気後退によって、企業が不動産のコスト削減に駆り立てられるという考え方だ。不景気が続き、経営幹部がコスト削減の余地を探すとなれば、手っ取り早い対策として使用率の低いビルが目に入る。「そうなれば、テレワークやハイブリッドワーク(テレワークとオフィスワークを組み合わせた勤務形態)の定常化が促される」と、“もう一つの未来”をリスター氏は提示する。
業務に不可欠なスキルを持つ従業員は、今後もその優位性は揺るがないという考え方がある。「人材市場は依然として、スキルの有無を重視している」と、TMap(MakeMyMoveとして事業展開)の共同創設者で、プロダクト担当のバイスプレジデントを務めるエバン・ホック氏は語る。TMapは、移住者募集情報とテレワーカーをつなぐ事業を営んでいる。「高いスキルを備える人材は、テレワークを強く希望している」というのが、ホック氏の見方だ。
第4回は、4つ目のトレンドを紹介する。
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