WalmartやTargetなどの小売業者の間で、“ある問題”への対処が重要な課題となっている。それが「シュリンケージ」だ。シュリンケージとは何なのか。その解決策だと目される「コンピュータビジョン」の実力とは。
NVIDIAのアプリケーション構築ソフトウェア群「NVIDIA Retail AI Workflows」は、小売業界が抱える「シュリンケージ」という問題に対処する。シュリンケージの影響は、WalmartやTarget、Rite Aidといった大手をはじめ、あらゆる小売業者に及んでいる。
そもそもシュリンケージとは何なのか。簡単に言うと、シュリンケージは、
のことだ。
2022年10月、Rite Aidの最高収益責任者(CRO)は決算発表の中で「窃盗に対処するために、全ての商品を陳列ケースに並べることを再検討している」と報告した。Targetでは、窃盗で失われた前年度の利益が4億ドルに上るという。
調査会社Gartnerのアナリスト、ロバート・エテュ氏によると、シュリンケージが小売業者にとって大きな問題になる一方で、シュリンケージに対処する技術も急速に進化している。エテュ氏が「今のところ、かなり有望だ」と指摘するのが、画像処理を通じて対象の内容を認識し、理解する人工知能(AI)技術「コンピュータビジョン」だ。
「誰かが何かを盗もうとしていることを知ることが、問題解決の一歩だ」とエデュ氏は述べる。NVIDIA Retail AI Workflowsをはじめ、画像に基づいて商品を認識したり、商品が適切な場所にない場合に通知したりするコンピュータビジョン関連の技術やツールは、シュリンケージを減らすのに役立つ。
コンピュータビジョンはシュリンケージの抑制だけではなく、精算の高速化、在庫状況の改善、顧客満足度の向上、顧客行動の追跡・モニタリングなどに「大きな恩恵をもたらす」とエテュ氏は指摘する。それでも特にシュリンケージの問題を解消することは「コストの観点から、小売業者と顧客の双方にとって大いに意味がある」と述べる。
次回は、コンピュータビジョンが抱える課題に迫る。
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