SSDやHDDといった記録媒体や接続のインタフェースなどを中心に、ストレージにさまざまな変化が起きている。注目に値する4つの動向を、その背景とともにまとめた。
企業のデータ保管やデータ活用の要望に応じるようにして、ストレージに興味深いさまざまな進化が見られる。SSDやHDDの「保存容量」「インタフェース」、さらに「拡張性」などをキーワードにして、注目すべき4つの進化をまとめた。
クラウドストレージの利用拡大とともに、データを「オブジェクト」という単位で扱う「オブジェクトストレージ」の採用が着実に進んでいる。オブジェクトストレージは容量を追加しやすく、その拡張性の高さに特徴がある。そのため増大するデータの保管に適しており、機械学習などの人工知能(AI)技術の活用やデータ分析をはじめ、さまざまな用途に利用できる。昨今はオンプレミスのインフラでオブジェクトストレージを採用する動きが著しい。
企業の保有データ量が増大する中で大きな役割を果たすのが、ストレージを接続するインタフェースの進化だ。インタフェースの帯域幅(データ転送容量)が大きくなるほど、より多くのデータを扱いやすくなる。
ストレージ製品において採用が広がっているインタフェース規格「PCI Express 4.0」(PCIe 4.0)は、その前世代の「PCI Express 3.0」(PCIe 3.0)に比べて帯域幅が2倍になった。帯域幅がPCIe 4.0の2倍になった「PCI Express 5.0」(PCIe 5.0)を採用する製品も出てきている。2022年には「PCI Express 6.0」(PCIe 6.0)の仕様が確定し、その帯域幅はPCIe 5.0の2倍になった。ストレージプロトコル「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)を採用することで、PCIeのこうした進化を最大限に生かすことができる。
より大容量のデータ保管を実現するために、ストレージの容量は増大を続けている。HDDは容量20TBを超える製品が続々と登場し、SSDでは容量30TBを超えた製品がある。磁気テープも標準規格「LTO-9」(LTO:リニアテープオープン)で容量が圧縮時18TB、非圧縮時45TBになるなど容量は増大しており、長期的に保持するアーカイブデータの保管において重要な役割を果たしている。
ストレージの運用においては自動化やソフトウェア定義といった技術が普及しつつある。データの圧縮や重複排除など、データ保管の効率性を高めるための技術も普及している。これらの進歩が相まって、データの利用頻度や種類に応じて保管するストレージを使い分ける階層化や、複数のストレージの一元的な管理などが可能になる。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。
メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。
ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。
CPUやGPUの性能向上に伴い、データセンターでは今、発熱量の増加にどう対応するかが課題となっている。特に高密度なサーバ環境では、従来のファンやヒートシンクに頼るだけでは熱管理が難しい。こうした中、企業が採用すべき手段とは?
中堅・中小企業の中には、IT担当者が社内に1~3人しかいないという企業も少なくない。そのような状況でも幅広い業務に対応しなければならないIT担当者の負担を減らす上では、ファイルサーバをアウトソーシングすることも有効だ。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...