「デジタルトランスフォーメーション」(DX)の一環として業務プロセスの変革を目指す過程で、プロセス簡略化と効率化のために新システムの導入を検討する場合がある。混乱を避けるために確認すべき3つの要素とは。
業界状況の変化、景気停滞、効率化を求める声――。これらはいずれも、企業が「デジタルトランスフォーメーション」(DX:デジタル時代に適応するために、ビジネスや企業風土を変革すること)を図るきっかけになる。とはいえDXに伴う変化は、すぐには従業員に受け入れてもらえない可能性がある。だからこそ企業のリーダーは可能な限り、変革後の状態に円滑に移行できるように支援をする必要がある。
DXに向けて、企業がすべきことはさまざまだ。リーダーはDXに向けた取り組みの中で「何を変えるのか」を整理し、適切な戦略を決めなければならない。本連載はDXを構成する主要な4種類の変革と、それぞれのポイントを説明する。
社内の業務プロセスを変革する目的は、プロセスを簡略化し、効率を高めることにある。プロセスを変革する際は、既存の方針を見直し、スループット(生産高)を上げ、コストを削減し、ミスを減らして、複雑さを緩和することを目指す。プロセスを構成する各工程の簡略化や廃止、進捗(しんちょく)報告精度の向上、ミスの抑制といったことが具体的な成果になる。
業務プロセスの変革を成功に導くには、既存のシステムを見直すことが不可欠だ。新しいシステムを導入するのは魅力的な選択肢だが、その際リーダーが考慮しなければならない要素が幾つかある。
1つ目は、システム導入のスケジュールと変更管理の仕組み、変更の緊急度合いを考えることだ。例えば新しいシステムの導入に1年以上かかる可能性があるのなら、業務プロセスに潜む問題を解決する暫定措置を講じる必要が生じる。
2つ目として、SaaS(Software as a Service)を利用しているのなら、以前はそのSaaSで利用できなかった機能を、ベンダーが今提供しているかどうかを確認する。SaaSは一般的に、頻繁に機能をアップデートしている。そのため新しいシステムの導入は不要になる可能性があることを考慮する。
3つ目として、業務プロセスを変革すると、ベンダーや自社の顧客に影響を及ぼす可能性があることに注意する。例えば買掛金のプロセスを変革すると、請求書の発行プロセスに影響する可能性がある。そのため従業員にとっても、社外関係者にとっても、プロセスの変革に伴う影響を管理することが重要になる。
後編は、2つ目から4つ目の変革を紹介する。
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